1992 Fiscal Year Annual Research Report
機能性大環状化合物を用いた液ー液界面イオン移動に関する研究
Project/Area Number |
04640541
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
工藤 義広 千葉大学, 理学部, 助手 (00195463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深田 直昭 千葉大学, 理学部, 助教授 (50009601)
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Keywords | 機能性大環状化合物 / 液-液界面イオン移動 / 電気化学測定法 |
Research Abstract |
研究代表者らは、すでに確立された電機化学測定法を用い、ニトロベンゼン(NB)/水系及びクロロホルム(CF)/水系界面におけるクラウン化合物(L)のイオン選択性及び輸送能の支配因子について研究した。また、新規機能性大環状化合物の機能評価については、本年度一部合成が完了し、今後、イオンの界面透過促進能を電気化学測定法等により検討する予定である。 1.従来、Lのイオン選択性は、水相中におけるLに金属錯体の安定度定数(β_1)とその錯体の分配定数の大きさに依存すると強調されてきた。しかしながら、親油性Lの場合、水相中のβ_1及び分配定数を決定することはきわめて困難であり、正確な報告値は少ない。そこで、本研究では、平衡反応系の熱力学サイクルに基づいて、イオン選択性の評価におけるパラメータを、垣内他の考えと同様有機溶媒中におけるLのβ_1に置き換えた。その結果、NB相中のβ_1とイオン単独の二相界面透過能の双方に 界面イオン選択性が依存することを、いくつかの親油性Lについて実証した。加えて、その選択性の大小関係は、ポテンショメトリーにより見積られた結果と一致した。 2.CF/水系については、その理論的解析に重点を置き研究を行なった。本系はCF相の低い誘電性の為に、イオンのみを平衡系内に考えたモデルによる解析は不適当と考えられる。本研究では、両相中において無電荷のイオン対錯体の生成を考慮し、モデルに加えることにより、測定結果の解析を試みた。実験結果の解析より、CF相中におけるイオン対錯体の生成定数は約10^6mol^<-1>dm^3以上でなければ、測定結果の解析には影響しないことを明らかにした。
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[Publications] Naoaki FUKADA: "Syntheses of 9-Phenylsulfonylimino-1,4-dioxa-8,10-diazacyclotridecanes and 9,22-Bis(phenylsulfonylimino)-1,4,14,17-tetraoxa-8,10,21,23-tetraazacyclohexa-cosanes" Bull.Chem.Soc.Jpn.,66,148(1993). 66. 148-152 (1993)