1992 Fiscal Year Annual Research Report
液体クロマトグラフィーによるダイオキシン異性体の分離と構造決定
Project/Area Number |
04640551
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 信男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60127165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細矢 憲 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (00209248)
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Keywords | ダイオキシン / 異性体分離 / 逆相クロマトグラフィー |
Research Abstract |
1.電子供与性のピレニル基を含むピレニルエチル型(PYE)および、電子吸引性のニトロフェニル基を含むニトロフェニルエチル型、および、ニトロフェノキシプロピル型(NPE,NPO)逆相クロマトグラフィー充填剤を合成した。 2.PYEとNPE,NPO充填剤とが、芳香族塩素化合物異性体に対して逆の溶出順を与えることを見出した。 3.1個から8個の塩素によって置換された75種類の全ダイオキシンについて、アルキル結合型充填剤およびPYE,NPE,NPO充填剤を用いて逆相クロマトグラフィー条件下で分離を行った。 4.NPO充填剤は、従来高性能ガスクロマトグラフィーによっても分離が不可能であった12種類を含めて全ダイオキシン異性体混合物を分離した。 5.これまで分離不可能で構造決定がされていなかった12種類のダイオキシンについて、PYE充填剤における電荷移動相互作用の大きさと、NPE,NPO充填剤におけるダイポール-ダイポール相互作用の大きさに基づいて、構造決定を行うことができた。 6.NPO充填剤は、ダイオキシン骨格上の塩素の数に基づく保持を与えたので、これにより逆相液体クロマトグラフィーによる全ダイオキシン異性体の一斉分離の可能性が得られた。 7.現在、血清や土壌など環境関連試料の分析において、分離不可能でまとめて定量されているダイオキシン異性体についても、ニトロ化芳香族化合物結合型ガスクロマトグラフィー充填剤を開発することにより個別に分離定量を可能として、現在より正確な環境評価を可能とすることが次の課題である。
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[Publications] Kazuhiro Kimata: "Preparation of nitrophenylethylsilylated silica gel and its chromatographic properties in the separation of polychlorinated dibenzo-p-dioxins" J.Chromatography. 595. 77-88 (1992)
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[Publications] Nobuo Tanaka: "Stationary phase effects in RPLC" J.Chromatography. (1993)