1993 Fiscal Year Annual Research Report
紫外励起光電子放射を利用する大気下での固体表面分析法の研究
Project/Area Number |
04640552
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
文珠四郎 秀昭 大阪大学, 理学部, 助手 (80191071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 巌 大阪大学, 理学部, 助教授 (50028239)
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Keywords | 光電子放射分光 / 仕事関数 / 表面分析 / 化学修飾 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、Siウエハー、Cu-In-Se化合物半導体などについて紫外光電子放射(UPY)スペクトルの測定を行った。UPYスペクトルから得られた光電子放射しきいエネルギー、Etと半導体試料の表面電子構造の関係について考察した結果、半導体表面でのバンドの曲がりがEtと相関があることを見いだした。 また、種々のチオールにより化学修飾した金表面についてUPYスペクトルの測定を行った。まず、炭素鎖の長さの異なったアルキルチオールを用いて化学修飾した金表面からの光電子放出量を精密に測定した。その結果、炭化水素鎖の短いチオールを用いた化学修飾層では光電子放出量が大きく、炭素鎖の短いものでは放出量が少ないことがわかった。これを解析した結果、アルキル炭素層中の低速光電子(<0.3eV)の脱出深さが10.6±1.5Aであることを見いだした。この値はUPYSの分析深さがXPSなど他の表面分析法と同等またはそれ以下であることを示しており、本方法の表面感度が高いことが明かとなった。また、種々の官能基を持つチオールを用いて修飾を行った場合、Etの値が大きく変化することがわかった。このEtの変化は表面に修飾したチオール分子の双極子の方向とその大きさに対応していることがわかった。
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Research Products
(1 results)