1992 Fiscal Year Annual Research Report
エアロゾル中の超微量化学種のその場分析法の研究開発
Project/Area Number |
04640564
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
池田 重良 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20028070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 一雄 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (50076832)
藤原 学 龍谷大学, 理工学部, 助手 (00181420)
松下 隆之 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20029127)
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Keywords | 全反射蛍光X線 / 非弾性電子トンネル分光 / トンネル電子 / 超微量分析 |
Research Abstract |
全反射蛍光X線分析法については試料の配置方式を従来の縦型方式から水平横型方式に変える設計を行い、これにしたがって装置の改良試作を行なった。これに伴って、X線測定系の全配置の変更調整を行ない、予備実験では従来の方法に比べてX線光学系の全反射の再現性が向上していることが実証された。またこの予備実験で、2cmの長さの1本の毛髪中の珪素、亜鉛および鉄を同時に検出することに成功した。水銀については検出出来なかったので今後X線源の選択、入射角の調整等を行なうとともに適切な試料量についても検討をしていかなければならない。シリコンウェーハーを試料保持台として用い、これを化学実験室中に露出した後その表面上の金属元素を本測定装置を用いて測定した処、鉄、銅、珪素、亜鉛等の元素については、シリコンウェーハー上に元来含まれている量より得られる強度よりはるかに大きい信号が得られた。これよりこの方法は大気中の超微量の金属元素の分析に応用出来ることが明らかとなった。液体試料については、従来の縦型試料配置法によって雨水中の微量元素の分析を試み大気中の元素量との相関を求める試みをした。 非弾性電子トンネル分光分析については以前に試作した測定装置をそのまま用いて大気中の有機化合物の測定を試みたが感度は必ずしもよくなかった。一方走査トンネル顕微鏡の測定領域を広げる工夫をしてこれを100Aから1μの領域が観測しやすいように変更し、これを表面汚染の分析に応用することを試みた。そして、まず鉄表面の大気酸化の初期過程の観測を行なった。その結果結晶の相の相違によって酸化速度の差がみられた。今後さらに測定系を改良してより定量的なデータが得られるように研究を進める考えである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Ikeda,K.Taniguchi N.Ichinose: "Total Reflecting X-Ray Fluorrescence Spectroscopy and Inelastic Electron Tunneling Spectroscopy" Fresenius Zeitschrift fur Analytische Chemie. 334. 677- (1989)
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[Publications] T.Watanabe,K.Taniguchi S.Ikeda: "The Local Stracture of Chromium(III)in the Mixed Glycerol Aqueous Solution" Advances in X-Ray Analysis. 35. 1197-1205 (1992)
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[Publications] 谷口 一雄,西萩 一夫: "全反射蛍光X線分析" 化学工業. 45. 49-55 (1992)
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[Publications] 二宮 利夫,野村 恵章,谷口 一雄: "全反射蛍光X線分析法のトナー成分分析への応用" 色材. 65. 176-183 (1992)
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[Publications] S.Nomura,T.Ninomiya K.Taniguchi S.Ikeda: "Application of Total Reflection X-Ray Fluorescence Spectroscopy to Drug Analysis" Advances in X-Ray Analysis. 35B. 969-974 (1992)