1993 Fiscal Year Annual Research Report
β-ジケトンキレート化学気相成長法を利用した希土類およびアクチノイド化合物合成
Project/Area Number |
04640575
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
天野 良平 金沢大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (30111769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 佳伸 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50111307)
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Keywords | ランタノイド元素 / アクチノイド元素 / 化学気相析出法 / CVD / 微量合成法 |
Research Abstract |
研究代表者は,研究分担者と共にβ-ジケトンキレートを金属蒸気源とする化学気相析出(CVD)法を,ランタノイドおよびアクチノイド化合物の微量合成法に利用しようとしている。昨年までは主として,揮発性,熱安定性に優れたジピバロイルメタンキレートを原料として選び,すでにランタノイドおよびトリウム,ウラン酸化物,ランタノイド硫化物,およびフッ化物の調製法を開発してきた。今年度は,2成分の金属を含む化合物を, (1)2種類のジピバロイルメタンキレートを利用 (2)昇華性の含2金属ヘキサフロロアセチルアセトンキレートを利用 によってCVD法で合成しようという試みた。まず(2)の対象として新しい原料キレートTlLn(hfa)_4型を開発し,Ln(III)の軽ランタノイドとしてNd(III)を,重ランタノイドとしてYb(III)を選び調製し検討した。これまでにTlLn(hfa)_4の合成についての報告はないので,合成の基本的な方針はCsLn(hfa)_4の方法とまず同じように行い検討した。その中で次の方法が良い収率であった。エタノール中でTl(I)酢酸塩を良く撹拌しながら,配位子ヘキサフロロアセチルアセトン(H-hfa)を当量加えることにより,Tlhfaが生成する。TlhfaとLn(NO_3)_3とをエタノール性水溶液中で(4:1)の割合で反応させる。pHを8-9に調整することにより合成した。また(1)の対象としてこれも新しいTl(dpm)キレートを合成しCVD原料として利用できるよう方法を確立した。
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[Publications] 天野良平,塩川佳伸: "Chemical vapor deposition using lanthanide β-diketone chelates with difluorodichloromethane." J.Radioanal.Nucl.Chem.Articles. 172. 81-86 (1993)
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[Publications] 天野良平・塩川佳伸: "A volatile thallium chelate,(2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptanedionato)Tl(I)." Inorganica Chimica Acta. 203. 9-10 (1993)