1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640584
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木下 勇 大阪市立大学, 理学部, 講師 (80128735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 健一 大阪府立工業高等専門学校, 講師 (20234263)
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Keywords | スズクラスター / スタニレン / ヘテロ接合 |
Research Abstract |
(1)クラスター化合物のヘテロ接合は、いまだ手のつけられていない分野であり、接合点のシステムの構築から検討しなくてはならない。この観点から、接合点化合物として、〔Pt(Pyridinethiol)_4〕Cl_2を開発し、この化合物の多座配位能を利用し、Co,Ni等とのヘテロ接合を行った。この反応を利用してスズとのヘテロ接合を試み、現在実験を進行中である。現在試行段階で、結晶等を得るに至っていない。 (2)クラスター中への遷移金属のとり込みと、それを接合点とするオリブマー構築などはいまだ未開発の分野である。スズクラスター系では、現在まですべて、自己再構築によって合成されてきた。そこで、本研究では、いままで種々のクラスターを生み出してきた、原料を用い、自己再構築反応を行なった。ヘキサキス(2,6-ジエチルフェニル)シクロトリスタナンは、高歪み三員環化合物で、移行時に種々の金属を取り込むと考えた。金属系として、Ti(C_5H_5)_2Cl_2,TiCl_4,Pt(P(C_5H_5)_3)_3,[Co(acuc)_3]等を用いて、熱分解を試みた。多くの場合、有効な取り込みは進行しないが、Ti系では錯構造を保ったまま、反応が進行していると思われる。三員キレートから発生するスタニレンとTi(C_5H_5)_2Cl_2との置換をともなうヘテロ接合化合物と思われる。現在、結晶化を試みている所である。 (3)最も単純なクラスター系ZintleアニオンであるSn^<2->_5,Sn^<4->_9では、遷移金属とのヘテロ接合が極めて困難で、現在そのオリゴマー化は進行していない。ほとんどの場合、スズ金属の析出が進行し、このアニオンの不安定性が合成を極めて困難にしている。現在、安定な反応条件を見い出す事を検討中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] TAKANORI NISHIOKA,ISAMU KINOSHITA,KENICHI KITANO,SHUNICHIRO DOI: "SYNTHESIS OF LANTERN-TYPE DINUCLEAR MIXED-METAL COMPLEX OF PIATINUM(II)AND NICKEL(II)" CHEMISTRY LETTERS. 883-886 (1992)