1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640594
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三木 健良 九州大学, 薬学部, 助教授 (40037586)
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Keywords | 大腸菌 / F因子 / DNA分配 / sopB遺伝子 / letB変異 / ペニシリン結合蛋白質 / rodA遺伝子 / pbpA遺伝子 |
Research Abstract |
大腸菌F因子のmini-F領域上、複製に必須な遺伝子群の左側にDNAの分離に関与すると考えられる遺伝子letA(ccdA)、letD(ccdB)、resD、右側に分配に関与すると考えられている遺伝子sopA、sopB(letB)、incDが存在する。本研究は、上記F因子遺伝子群のコードする蛋白質は、大腸菌の蛋白質、あるいは構造体と一体となって、複製の終了したF因子DNAの分離と娘細胞への分配の為の装置を構築しているものとの考えの基に、sopA、sopB(letB)遺伝子のコードする蛋白質の機能の発揮に必須な宿主大腸菌の蛋白質とその機能を明らかにするという方向から、大腸菌におけるDNA分配装置と分配過程を明らかにすることを目標としたものである。 1.sopA、sopB遺伝子作用に関与する大腸菌遺伝子の同定 申請者らが分離したsopB遺伝子変異letB84(am)を持つF因子は、Su^-宿主菌に導入すると宿主菌の増殖を阻害する。この増殖阻害を抑圧し得る宿主変異株(sIb変異株と命名)を分離、Tn10挿入変異との連関性より大腸菌染色体上15分にマップされる第1群、83分にマップされる第2群、55分に位置する第4群、位置未決定の残りの2群の連関群に分類することが出来た。第1群変異株についてクローン化、相補性試験を行ったところペニシリン結合蛋白質5をコードするdacA、ペニシリン結合蛋白質2をコードするpbpA、細胞の形態に関与するrodA遺伝子に変異を持つことが明かとなった。これら遺伝子は細胞の伸長と隔壁形成の調節に関与する遺伝子で、この結果はDNA分配にペプチドグリカン形成が関与する可能性を示唆するものである。 2.F因子letB遺伝子変異株による増殖阻害機構の解析 我々の分離したsopB遺伝子変異letB84(am)は宿主菌の増殖阻害をする。一連の欠失変異株を分離することにより、F因子上2分から44.84分の間に増殖阻害に増殖阻害遺伝子が存在することを示唆する結果を得た。現在トランスポゾン挿入変異株を分離し遺伝子の同定を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Miki,T.,Park,J.A.,Nagao,K.,Murayama,N.& Horiuchi,T.: "Control of Segregation of chromosomao DNA by Sex Factor F in Escherichia coll.Mutants of DNA gyrase subunit Asuppress letD (ccdB) product growth inhibition." Journal of Molecular Biology. 225. 39-52 (1993)
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[Publications] Maki,S.,Takiguchi,S.,Miki,T.& Horiuchi,T.: "Modulation of DNA Supercoiling Activity of Escherichia coli DNA Gyrase by F Plasmid Protein.Antagonistic actions of LetA (CcdA) and LetD (CcdB) proteins." Jurnal of Biological Chemistry. 267. 12244-12251 (1993)