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1993 Fiscal Year Annual Research Report

食植性テントウムシの食草利用パターンに及ぼす食草の個体変異の影響

Research Project

Project/Area Number 04640600
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

片倉 晴雄  北海道大学, 理学部, 助教授 (40113542)

Keywordsエゾアザミテントウ / チシマアザミ / ルイヨウボタン / 食草選択 / 個体変異
Research Abstract

複数種の植物を餌とする昆虫が、植物の種内変異と種間の差異をどの様に認識して食草を選択するかを、エゾアザミテントウとその食草であるチシマアザミとルイヨウボタンを用いて調査した。初年度(平成4年度)には、越冬成虫を用いた食草選択実験と幼虫の飼育実験によって、チシマアザミとルイヨウボタンが、エゾアザミテントウにとっては一連の変異幅の大きい餌資源となっていること、及び、テントウムシはこの一連の変異系列の中から植物の分類学的違いとは無関係に、生存により適した植物を選ぶことを示唆する結果が得られた。本年度も、おおむね昨年の結果を支持する結果が得られ、成虫の好む株では幼虫の生育も良好であった。しかし、野外に設定した調査区内で、室内実験に使った株の実際の利用状況を被食害率と被産卵率の2つの基準で査定し、室内での選好順位と比較したところ、前年度の予備調査の結果と異なり、野外では、かならずしも実験室内で好まれた株が利用されているわけではないことが判明した。このことは、野外における実際の食草選択には、実験室内で測定できる選好性や生存率以外の要因が関与していることを示唆する。これらの要因としては、餌植物の空間的な配置、現存量、昆虫の環境選好性、植物と昆虫の生活史の同調性などが考えられ、これらの要因がどの程度寄与しているかを解明することが今後の課題である。一方、2種のテントウムシがアザミとルイヨウボタンを食い分けている北海道南部からアザミとルイヨウボタンを採取し、札幌周辺のチシマアザミ、ルイヨウボタンを加えて、エゾアザミテントウによる予備的な選択実験を行い、上と同様の結果を得た。ただし、北海道南部には複数種のアザミがあり、テントウムシの利用状況がアザミの種によって明かに異なるので、この地域のアザミ、ルイヨウボタンに対する成虫の選好性や幼虫の生育過程については更に詳しい調査が必要である。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] H.KATAKURA & T.HOSOGAI: "Performance of hybrid ladybird beetles on the host plants of parental species" Entomologiae experimentalis et applicato.(印刷中). (1994)

  • [Publications] 片倉 晴雄: "オオニジュウヤホシテントウ群と「種の問題」" 生物科学. 46(印刷中). (1994)

  • [Publications] 片倉 晴雄: "食葉性テントウムシにおける独占と共存のメカニズム 辻井・東・阿部編「生態学からみた北海道」" 北大図書刊行会, 324-332 (1993)

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Published: 1995-02-08   Modified: 2016-04-21  

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