1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640609
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
伊藤 秀三 長崎大学, 教養部, 教授 (20039762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 こずえ 長崎大学, 教養部, 助手 (30100895)
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Keywords | 種交代率 / 垂直分布 / 環境傾度 / 群落類似度 / ベータ多様性 / 森林植生 / コケ植生 |
Research Abstract |
1.森林植生に関しては、鳥取県船上山(海抜555〜680m)と大山(780〜1320m)において垂直分布に伴う構成種の交代率を研究した。 2.種交代率の解析には、2つの類似指数を用いた。1は共通係数(CC)であり、2は百分率類似度(PS)である。海抜差に対する類似度低下のは、log Y=IA+bXの回帰式から変化率bを求めた。対象はPSとCCのいずれにも、船上山と大山の全体(Stand1〜13)と大山のみ(Stand4〜13)とについて、(1)全層群落、(2)高木層、(3)低木層、(4)木本植物[即ち(3)+(4)]、(5)草本層のそれぞれについて解析した。合計、40個の回帰分析を行った。 3.木本植物と草本植物の間では、大山のみについて言うと、CCにおいては前者は0.902^<-3>、後者は2.06^<-3>で、草本の方が常に高い交代率を示した。これは、従来、照葉樹林でこれまでに見いだしている事実と同じである。すなわちブナ林においても、木本植物が草本植物よりもほぼ2倍の早さで環境傾度上において変化することを意味する。 4.コケ植生に関しては、滝に隣接する石垣で、乾湿の環境傾度に沿ったベルトトランセクト法による調査を行い、1mごとの構成種の交代率を求めた。 5.変化率は65.62‐3であった。前年の結果では1.51^<-3>〜8.18^<-3>であったから、変化率の違いの原因は不明である。コケ植生に関しては、比較の為のデータの集積が課題である。 6.種多様性(アルファ多様性)に関しては、被度によるShannon関数、H'を算出した。その結果は、0.14〜1.71の範囲にあった。(前年では0.45‐1.79)。H'値は傾度にそって高低を繰り返した。
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