1993 Fiscal Year Annual Research Report
2種の送粉者による花筒長への選択圧の強さ,方向性についての研究
Project/Area Number |
04640610
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Research Institution | TOKYO METROPOLITAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鈴木 和雄 東京都立大学, 理学部・植物系統分類学, 助手 (50187712)
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Keywords | 花筒長 / カメバヒキオコシ / 自然選択 / タイリンヤマハッカ / マルハナバチ |
Research Abstract |
送粉昆虫を介した花筒長への選択圧を雌性の繁殖成功度によって測定した.その結果,選択は花筒長が長くなる方へ向いていることがわかった.送粉昆虫の有効な口吻長(中舌長,基節)と花筒長とのサイズの一致が長い花筒長の高い結実率を決める重要な要因となっていた.トラマルハナバチ(Bombus diversus)あるいは稀にナガナルハナバチ(B.consobrinus)が長い花筒長の花を送粉するが,その花筒長はハチの中舌の長さと一致していた.またミヤマハナバチ(B.honshuensis)も長い花筒長を持つ花の送粉昆虫であるが,その訪花した花の花筒長はハチの中舌長+基節の長さと対応していた.花筒長が短い花においてもミヤマハナバチが送粉しているが,中舌だけを伸張して吸蜜し,それぞれ長さの対応がある.長花筒の花は3種のマルハチバチによって送粉されるが,短花筒の花はそうちの1種によってのみ送粉されていた. 中間移行型を含む集団を5つ選び,酵素多型異変解析によって集団間の遺伝的距離を計算した.結果は集団間の遺伝的分化は非常に少なく,活発に遺伝的交流が行われている可能性が示された. 以上の内容について論文としてまもなく投稿する予定である.
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[Publications] Kazuo Sazaki: "Bumblevee pollinators and pollination ecotypes of Isodon umbrosus and I.Shikokianus(Camiaceae)" Plant Species Biolosy. 7. 37-48 (1992)
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[Publications] 鈴木和雄(分担): "シリーズ地球共生系3 昆虫を誘い寄せる戦略 植物の繁殖と共生" 平凡社, 258 (1992)