1992 Fiscal Year Annual Research Report
多雪環境に生育する常緑低木の生理生態学-少雪地域の近緑種との比較
Project/Area Number |
04640614
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
伊野 良夫 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30063697)
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Keywords | Aucuba japonica / Camellia japonica / 常緑低木の生理生態学 / 環境適応 / 雪ストレス |
Research Abstract |
東京大学千葉習林(千葉県)・早稲田大学大隈庭園(東京都)でアオキ、森林総合研究所多摩森林科学園(東京都)でヤブツバキ、松代町(新潟県)のブナ林床でヒメアオキ・ユキツバキに関して調査・研究を行なった。 ヤブツバキ・ユキツバキについては定期的に生育地で携帯用CO_2/H_2Oポロメーターを使用して光合成・気孔コンダクタンスの測定を行なった。また、試料を実験室に持ち帰り、実験室条件での光合成・呼吸速度の測定、気相酸素電極を用いてポテンシャル光合成の測定を行なった。12月にはユキツバキを雪から掘り出し、数日間露出させた後に測定を行なった。 アオキ・ヒメアオキについてはシュートの形態に注目し、1本のシュートについている葉の量と木部のサイズから最適着葉量を計算で求めた。また、光合成・呼吸特性の季節変化、植物体の維持呼吸、生育地の光強度・温度から葉の最大光合成速度が計算できることを明かにした。これらふたつの計算値はアオキ・ヒメアオキでほとんど違わず、これら2種には生理的な差がないと推測された。ヒメアオキの木部が小さいことから水ストレスに対するレスポンスがアオキと異なることが予測された。早稲田大学大隈庭園内の2本のアオキの葉の水ポテンシャルを夏から初冬にかけて定期的に測定した。土壌水が減少したり、大気湿度が低下しても気孔のレスポンスは鈍く、気孔が完全に閉じることがまれであることがわかった。 大隈庭園・松代町・多摩森林科学園に温度・湿度自動測定記録装置を設置し、微気象を測定した。 エゾユズリハについては松代町でシュートの計測を行なったが、ユズリハに関しての測定は今年度は行なわなかった。
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Research Products
(1 results)