1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640615
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉田 真 立命館大学, 理工学部, 助教授 (70121621)
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Keywords | 網の特性 / 餌の組成 |
Research Abstract |
1.網の諸特性の測定 網のサイズ・角度・網を構成する横糸(螺旋糸)と縦糸(放射糸)の強度、横糸の粘着性、横糸と縦糸の数などを測定し、各種の網が以下の4つのグループに分類されることを確かめた: (1)ジョロウグモの網:粘着性と糸の強度はさほど大きくないが、横糸・縦糸の極端に多い(百数十本)網。昆虫が網に当たれば、そのサイズに関わらず捕獲できる効果的な網と思われる。ただし、糸が多いために非常に目立ち、視覚の発達した昆虫には回避・探知されやすいと思われる。垂直円網である。 (2)コガネグモ属各種の網:粘着性と糸の強度が非常に大きく、横糸・縦糸の多い(30〜40本)垂直円網。大型の餌の捕獲に適していると思われる。 (3)水円平網I:アシナガグモ属の網とオオシロカネグモの網がこれにあたる。粘着性と糸の強度は小さく、横糸・縦糸は少なく、探知しにくい網であろう。小型の餌または視覚の発達した昆虫の捕獲に適していると思われる。 (4)水平円網II:オオドヨウグモ属の網。横糸・縦糸は少ないが、粘着性と糸の強度は大きく、視覚の発達した大型の餌も捕らえることのできる網である。 2.網にかかった餌の組成 網にかかった餌を採集し、餌を科の段階まで同定しそのサイズを測定している最中である。水平円網には双翅類(ユスリカなど)とカゲロウ類が多く、垂直円網には甲虫類・カメムシ類・バッタ類などが多いようである。 この作業が終わった段階で、網の特性・造網場所などとの関連を分析するつもりである。
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Research Products
(2 results)