1992 Fiscal Year Annual Research Report
四肢パターン形成に対するレチノイン酸の作用の肢芽と再生芽での比較解析
Project/Area Number |
04640650
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井出 宏之 東北大学, 理学部, 助教授 (70022704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大椙 弘順 東北大学, 理学部, 助手 (00201377)
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Keywords | レチノイン酸 / 四肢 / 再生 / パターン形成 |
Research Abstract |
レチノイン酸(RA)は四肢などの軸形成に大きな影響をおよぼす。ニワトリ胚肢芽の前端部にRAを含むイオン交換樹脂のビーズを挿入すると、ZPA(極性化活性域、肢芽後端部)を移植した場合と同様に、前後軸方向に鏡像対称の重複肢が形成される。この結果等から、RAはZPAからでて、濃度によって四肢形成を支配するモルフォゲンと考えられるにいたった。またRAは両生類四肢の再生の際に再生芽の基部化を起こし、その結果、基部ー先端部軸方向の重複肢が形成されることが知られている。さらにRAは再生芽組織の後部化、腹側化も起こすことが最近分かってきた。このように肢芽でのRAの作用と、再生芽でのRAの作用とは別個にかんがえられてきた。これを統一的に考えるために、本研究を行い以下の結果をえた。 1.RAービーズを挿入24時間後に、その先端部側組織を取り、若い胚の肢芽に移植すると、そのままでは先端部を作る領域が基部側を作る、つまり基部化が起こることを明らかにした。この時に基部ー先端部軸に沿って発現するホメオボックス遺伝子HoxAは移植片でも宿主と同じ順に発現し、基部側への変換が裏付けられた。 2.ニワトリ肢芽進行帯の培養細胞を用い、RAに対する反応能を、軟骨分化を指標にして比較するとすると、進行帯の前側、背側で高く、両生類の再生の場合と共通点が見出された。 これらの結果からRAの作用する機構は肢芽と再生芽で共通性の高いものと考えられる。
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[Publications] Ohsugi,K.and Ide,H.: "Expression of AV-1,a position-specific molecules,in respones to retinoic acid beads and ZPA grafts in chick limb development." Developmental Biology. (1993)
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[Publications] Tamura,K., Aoki,Y. and Ide,H.: "Induction of polarizing activity by retinoic acid occurs independently of duplicate formation in developing chick limb buds." Developmental Biology. (1993)
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[Publications] Ide,H.,Wada,N., Uchiyama,K.and Kameyame,T.: "Position-specific chondrogenesis of chick limb bud cells in culture. 章名 Limb Regeneration and Development 本名" Wiley, (1993)
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[Publications] Tamura,K. and H.Ide: "The function of retinoiuc acid in chick limb pattern formation The posteriorization and the proximalization. 章名 Limb Regeneration and Development 本名" Wiley, (1993)