1992 Fiscal Year Annual Research Report
ウニ胚細胞系譜特異的発現遺伝子の空間的発現調節を司るシスエレメントの研究
Project/Area Number |
04640660
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 一美 広島大学, 理学部, 助手 (80220367)
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Keywords | 転写調節 / 細胞系譜 / 初期胚 / シスエレメント |
Research Abstract |
この研究ではウニ胚の反口側外胚葉に特異的に発現するArs遺伝子の細胞系譜特異的発現調節を担うシスエレメントの特定化を試みた。Ars遺伝子の転写調節領域(転写開始点から-3kbとエンハンサー活性を持つ第3イントロンの断片)とリポーター(CAT)との融合遺伝子を構築し、これを卵に注入して発生させ、抗CAT抗体で融合遺伝子の空間的発現パターンを検出した。その結果、内在性Ars遺伝子同様の反口側外胚葉特異的なCATの発現が見られた。したがって、融合遺伝子構築に用いたArs遺伝子の転写調節領域内に反口側外胚葉特異的な発現を担うエレメント存在することが示された。 Ars遺伝子上流には3本鎖DNA構造をとり得る特徴的な約1kbのホモピリミジン領域が存在する。この領域ではヌクレオソーム構造をとらないと考えられ、転写調節への関与が強く示唆される。この領域を欠失させた融合遺伝子の発現パターンを調ベたところ、細胞系譜特異的発現に乱れが生じ、内胚葉、間充織細胞でも発現がみられた。したがって、このホモピリミジン領域に細胞系譜特異的な発現調節を受けるのに必要なエレメントが存在することが示された。現在、さらに詳細な欠失、変異をこの領域に与え、細胞系譜特異的発現調節を担うエレメントの特定化を急いでいる。一方、我々はこの領域に、別の遺伝子(ウニの細胞質性アクチンCyIIIa遺伝子)で細胞系譜特異的発現に必要と考えられているP3AサイトやGストリングが存在する事を、フットプリント法を用いて示しており、これらのサイトをリガンドとしたアフィニティークロマトグラフィーによって転写因子の精製を行っている。Gストリング結合因子に関しては、発現cDNAライブラリーをサウスウェスタン法によりスクリーニングする事により、4種類のcDNAをクローニングしており、その塩基配列を解析している。
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[Publications] K.Yamada,S.Eguchi,T.Yamamoto,K.Akasaka,H.Shimada: "Cis-Acting Elements for Proper Ontogenic Expression of Arylsulfacese Gene of Sea Urchin Embryo" Devclop.Growth & Ditter.,. 34. 719-729 (1992)
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[Publications] K.Mitunaga,M.Kanda,K.Yamazaki,H.Kawashita,K.Akasaka,I.Yasumasa: "Expression of Na^+,K^+-ATPase α-Subuwit in Amimalized and Vegatalized Embryos of the Sea Urdnin,Hemi cuntrotus pul chanimus." Devclop.Growth & Ditter.,. 34. 677-684 (1992)
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[Publications] 赤坂 甲治,山田 一実,嶋田 拓: "ウニ初期発生における遺伝子発現の制御" 生化学. 64. 485-502 (1992)