1993 Fiscal Year Annual Research Report
変温脊椎動物皮膚の斑紋形成の細胞組織化学的,発生学的研究
Project/Area Number |
04640671
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小比賀 正敬 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (30051246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福澤 利彦 慶應義塾大学, 商学部, 助手 (00238461)
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Keywords | 色素パターン / 色素細胞 / メダカ / アフリカツメガエル / 細胞接着分子 / 蛍光抗体法 |
Research Abstract |
色素パターン形成に関与すると考えられる要因のうち、細胞接着分子N‐CAMとN‐cadherinの色素細胞における発現様式を蛍光抗体法およびパーオキシダーゼを用いた免疫細胞化学法によって検討した。材料としては培養(primary culture)のメダカ黒色素胞、黄色素胞、白色素胞、虹色素胞、アフリカツメガエルの黒色素胞、黄色素胞、虹色素胞を用いた。両種を通じて、黒色素胞、虹色素胞には細胞接着分子は検出されず、黄色素胞においては樹状突起先端または基部、あるいは樹状突起間の周辺に2種の接着分子がほぼ同様に発現していることが2重染色によってたしかめられた。メダカ白色素胞(ツメガエルには白色素胞は存在しない)においても細胞接着分子の発現が黄色素胞同様に観察された。この結果から、皮膚における虹色素胞以外の細胞による明色カラーパターン形成にはこれらの接着分子が関与していることが示唆された(福澤・小比賀:第64回日本動物学会大会(沖縄);Zool Sci,10 Suppl;154(1993),第15回国際色素細胞学会(London),Pigment Cell Res,6;306(1993))。虹色素胞と白色素胞は共に光反射性であり、色素パターン形成における役割りには共通点があるようにみえるが、白色素胞の細胞学的研究はまだ十分にはなされていない。背地適応によって白色素胞を誘導したメダカ皮膚を用いた解析によって、白色素胞はプテリジン誘導体は含有せず、虹色素胞とは異なるプリン様物質をもつことが吸収スペクトル分析によって示された(小比賀・福澤:第15回国際色素細胞学会(London),Pigment Cell Res,6;306(1993))。 パターン形成の要因の一つである細胞形態の発現にあずかる細胞骨格系(微小管、中間系フィラメント、アクチン)の分布様式はメダカの3種の培養細胞について蛍光抗体法による詳細な検討がおこなわれた(Obika & Fukuzawa Pigment Cell Res,6;417‐422(1993))。
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Research Products
(1 results)