1993 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性ペプチドによる水電解質代謝調節に関する系統発生学的研究
| Project/Area Number |
04640693
|
|---|
| Research Institution | Kanagawa Dental College |
|---|
Principal Investigator |
上村 晴子 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00147985)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 一子 放射線医学総合研究所養成訓練部, 主任研究官 (60159275)
山本 利春 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (50111901)
中村 澄夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (80104496)
広浜 徹 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (90101211)
|
|---|
| Keywords | エンドセリン / バソプレッシン / 下垂体神経葉 / 水電解質代謝 / 生物活性ペプチド |
|---|
| Research Abstract |
1.ラットにおける水代謝とエンドセリン-1(ET-1)。(1)ラットに急性の抜血刺激を与えると、血中バソプレッシン(VP)は著しく増加するが、ET-1には変化がみられない。この際、下垂体神経葉のET-1含量は増加したが、VPとET-1を含有する分泌顆粒の数、顆粒におけるET-1免疫標識密度は増加しなかった。急激に体液が減少するとき、ET-1は軸索外に放出されるが、一般循環には入らず神経葉に留まってVPの急激な分泌に何らかの役割を果たす可能性がある。(2)2日間脱水されたラットでも血中VPの著しい増加はみられるが、ET-1の血中濃度は変化しない。このとき神経葉のET-1含量、顆粒数、顆粒のET-1免疫活性は減少する。このようにVPとET-1の分泌は同調せず、また、急性刺激と慢性刺激ではET-1の動態に違いのあることが分かった。(3)神経葉における[I^<125>]ET-1の結合部位をin vitoro,in vivoで調べ、ある程度の傾向はみられたが、まだ 結果が一定せず、今後も方法を改良して調べる予定である。今後、VP分泌にET-1がいかに関与しているか解明したい。
2.ウシガエル視索前後の大型細胞と小型細胞にET-1免疫活性を示すものがあり、その軸索は正中隆起を経て神経葉に達することをみた。また、ET-1とオキシトシンの免疫活性が共存するニューロンが見出された。バソトシンとET-1の共存についても調べ、それらの機能的関連を明らかにしたい。
3.ラットで抜血刺激を与えると、下垂体腺葉のET-3が減少するので(前年度の結果)、腺葉について、次の研究を行った。(1)ウシガエルでET-3免疫活性はソマトトローフにみられた(ヒトではゴナドトローフ)。(2)ラット、[I^<125>]ET-1の結合部位をin vitroで調べたところ、ソマトトローフの細胞膜に結合した。ウシガエルでも実験中である。
|
-
[Publications] Nakamura,Sumio: "Colocalization of immunoreactive endothelin-1 and neurohypophysial hormones in the axons of the neural lobe of the rat pituitary." Endocrinology. 132. 530-533 (1993)
-
[Publications] Uemura,Haruko: "Immunohistochemical investigation of neuropeptides in the centra nervous system of the amphioxus,Branchiostoma belcheri." Cell and Tissue Research. (in press). (1994)
-
[Publications] Yamamoto,Toshiharu: "Endothelin-1-like immunoreactivity in the hypothalamo-hypophysia system of the bullfrog,Rana catesbeiana." Zoological Science. 10(Suppl.). 141 (1993)
-
[Publications] 成瀬,光栄: "エンドセリンと内分泌" 最新医学. 49. 366-375 (1994)
