1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04640701
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
公文 富士夫 信州大学, 理学部, 助教授 (60161717)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 佳昭 信州大学, 理学部, 教授 (50144689)
|
Keywords | albitization / diagenesis / sandstone / low-grade metamorpRism / Shimanto Belt / zeolite facies |
Research Abstract |
徳島県南部および和歌山県南部に分布する四万十累帯白亜系を中心に地質調査と試料採集を行った.採集した試料について,顕微鏡観察とエネルギー分散型マイクロプルーブ(EDX)による分析を行い,アルバイト化の度合と地域的な広がりを調べた.併せて,粉末X線回折装置を用いて,酸性凝灰岩中の火山ガラスを対象とするフッ石相による分帯も試みた.また,EDXに試料電流計を設置することで分析精度の向上をはかった. 徳島県南部での研究結果は,公文(1992)で報告したことを補足して裏付けるものであった.和歌山県南部での調査・研究の結果は,紀伊半島の日高川帯も砂岩のアルバイト化を指標として3つに分帯される可能性を示すものであった.また,フッ石による分帯もそれを支持した.具体的には,次のような結果を得た. 日高川帯に位置する浅海性の堆積物で,層厚の小さい寺そま層は第一段階のアルバイト化度であり,フッ石相でもアナルシム帯であった.その南に分布する龍神累層の北東部(上部層の相当)も同様に第一段階のアルバイト化度であり,フッ石相でもアナルシム帯に相当した.一方,龍神層の南東部(下部)は,アルバイト化度では第三段階に相当し,フッ石相でもアルバイト帯に相当することが判明した.なお,美山累層は第二段階のアルバイト化度と判断されるが,試料ごとのデータにばらつきが大きく,もう少し詳しい研究が必要である. 以上のように大きな研究の進展があった.今後イライトの結晶度に関するデータを加えて,四万十帯の続成変成作用の解明を進め,研究報告としてまとめる予定である.
|