1992 Fiscal Year Annual Research Report
3-5族半導体と3-6族層状半導体のヘテロ界面形成とその物性
Project/Area Number |
04650011
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
丹保 豊和 富山大学, 工学部, 講師 (00167511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上羽 弘 富山大学, 工学部, 助教授 (70019214)
龍山 智栄 富山大学, 工学部, 教授 (90019208)
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Keywords | 層状半導体 / ガリウムセレン / ガリウム砒素 / ヘテロ界面 / 不動態化 |
Research Abstract |
本研究は3-5族半導体の代表のガリウム砒素単結晶基板の上に3-6族層状半導体であるガリウムセレンを成長し、その薄膜の結晶性を評価し、ヘテロ界面の電子状態を明らかにし、またガリウムセレンの付着によりガリウム砒素表面が受けた影響について明らかにすることを目的としている。 本研究室には13年前にX線光電子分光,オージェ電子分光などの表面分析が行なえる装置が設置された。特に層状半導体を中心とした研究が進められてきた。これまで、表面不活性な3-6族層状半導体を取り上げていたが、研究の進展の中で本研究の様に表面にたくさんのダングリングボンドを持つガリウム砒素を使用するにあたり、より質の良い超高真空が必要となった。本年度は本科学研究費の補助により試料受渡装置の設置が行なわれ、研究条件が大幅に改善された。 ガリウム砒素基板上のガリウムセレン薄膜は最初に基板温度を変え、その薄膜の評価を低速電子エネルギー損失分光法で行ない、ガリウムセレン薄膜が結晶化するための最適温度が250度付近であることを求めた。また、成長様式は層状成長であり、X線回折により薄膜が[001]方向に成長していることが明らかになった。基板温度の違いによる影響として薄膜の状態が異なり、低温ではガリウム不足であり、高温ではセレンの不足の様子が観測された。X線光電子分光によるセレンのスペクトルの結果から、高温成長膜ではガリウム砒素表面で不動態化現象の起きていることが予想された。更に、継続した研究が必要である。
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