1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650013
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
松本 俊 山梨大学, 工学部, 教授 (00020503)
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Keywords | 二硫化銅ガリウム / 三元化合物 / カルコパイライト型半導体 / エピタキシャル成長 / クロライド法 / MBE法 / ニセレン化銅ガリウム |
Research Abstract |
三元化合物であるCuGaS_2の高品質エピタキシャル膜の成長に重要な原料供給の精密製御を可能にするクロライドMBE装置を製作した。原料物質はCuCl、Ga、Sで、それぞれの蒸気がクヌーセン形原料セルから10^<-4>Torrの高純度水素あるいは窒素ガス雰囲気中に供給される。原料温度はCuCl=205〜235℃、Ga=850℃である。S温度は制御困難で、いおう過剰供給になっている。基板にはGaAs(100)面を用い、温度は600〜650℃である。GaAs(100)面上のCuGaS_2エピタキシャル成長では従来a軸成長の混在が問題であったが、本方法で成長した試料ではCuGaS_2(200)X線回折ピークは検出されず、良好なc軸エピタキシャル成長が確認された。CuCl温度が205〜225℃のとき鏡面成長が得られた。成長速度ははCuCl供給量とともに増加し、55〜95nm/hであった。CuGaS_2(004)X線回折ピークの強度と半値幅は、CuCl温度が220〜225℃のときそれぞれ最大、最小となる。このときCu/Ga供給比はほぼ1である。成長膜中のCu/Ga比はCu/Ga供給比で制御されることをXMA測定で確認した。Cu/Ga比が1のとき励起子発光が観測された。 本クロライドMBE法はCaGaSe_2にも適用可能で、GaAs(100)基坂上へのc軸エピタキシャル成長と禁制帯幅近傍発光を確認した。
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