1992 Fiscal Year Annual Research Report
低照度環境における物の見え方のシミュレーションに関する研究
Project/Area Number |
04650034
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
矢口 博久 千葉大学, 工学部, 助教授 (30134844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽石 秀昭 千葉大学, 工学部, 助手 (20228521)
三宅 洋一 千葉大学, 工学部, 教授 (70027895)
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Keywords | 薄明視 / 色の見え / 等色 / 測色値 / 桿体 / 明視視 |
Research Abstract |
本研究の目的は低照度における色の見え方,視覚の空間周波数特性,運動に対する応答の3つの測定データを構築し,低照度における物の見え方のシミュレーションを行うことにある.本年度は主に(1)色の見えの測定と(2)そのシミュレーションを行なった. 1.薄明視における色の見えの測定 0.01luxから1000luxまでの照度における36枚の色票の色の見えを両眼隔壁等色法により評価した.実験結果は照度低下に伴い,色みが減少すること,緑青,黄赤領域で色相が変化すること,明るさコントラストが低下することを示した.視覚のメカニズムの観点から,これらの現象を照度レベルの低下に伴う桿体の介入により定量的に説明した.これらの研究成果は雑誌「光学」に掲載される予定である. 2.薄明視における色の見えのシミュレーション 前述の実験結果を基に,明所視における測色値から任意の照度レベルにおける色の見えを予測する変換式を導いた.さらに実際の風景をスチールビデオカメラで撮影し,そのRGBデータからCIEのXYZ測色値を推定し,明所視ー薄明視変換式を用いて,明所視の画像を任意の照度レベルでの色の見えを呈する画像に再現することに成功した.これらの研究成果を現在,論文にまとめている段階である. 次年度は,低照度における視覚の空間周波数特性,運動に対する応答特性の測定を行い,色,形,動きの総合的な物の見え方のシミュレーションを行う計画である.
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