1993 Fiscal Year Annual Research Report
ミリメーター周期長のマイクロウイグラーを用いる遠赤外FELの開発研究
Project/Area Number |
04650045
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大東 延久 関西大学, 工学部, 教授 (20067549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綱脇 恵章 大阪産業大学, 工学部, 教授 (90030056)
高井 正弘 関西大学, 工学部, 助教授 (50067609)
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Keywords | ウイグラー / 自由電子レーザー / 相対論的電子ビーム / 遠赤外光 |
Research Abstract |
7〜9MeVの手頃なRFライナック電子ビームから数10mumの遠赤外光を発生するFEL(自由電子レーザー)の開発を目指して研究を行なった。すなわちその心臓部であるマイクロウイグラーについて、3倍拡大のウイグラー構造体を試作し、その磁場解析から本ウイグラー設計のための最終的な資料が整った。これまでの実績をまとめると次に示す通りである。 1.短周期長で高磁場達成可能な型として、6角形コアをもつ1周期3極型電磁石ヘリカルマイクロウイグラーを開発し、磁気回路理論によりこれを設計した。 2.3倍拡大のウイグラー構造体を試作し、磁場解析を行ない、その磁場構造を明らかにした。 3.ヘリカル磁場の位相により磁極間磁場と近隣の磁極からの合成磁場とがあり、前者は電子に集束性を与えるが、後者は発散性を与えることが分かった。 4.合成磁場の発散性を集束性に転じさせるため、磁極先端面に8°の傾斜をつけ、電子運動にベータ-トロン振動を行なわせて集束性をもたせるように磁極形状を改善した。また計算機シミュレーションによりこれを確認した。 5.磁極間磁場と合成磁場の大きさの違いを6個のコイル電流をコントロールすることにより、両磁場の大きさを等しくできることを見い出した。 6.断熱遷移部分の磁場変化は磁極間隙長の変化で行ない、設計値に近い計測結果を得ているが、さらに磁極長の補正をする資料が得られた。 以上により本ウイグラー設計の最終資料が得られ、実現可能なマイクロウイグラーの基礎を確立した。また計算機シミュレーションにより、このFEL出力光の成長を調べ、十分初期の目的を達成できることを確認した。
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[Publications] N.OHIGASHI,etal.: "Development of Electromagnetic Helical Microwiggler" Nuclear Inatrunentsam Methods in Phiysical Research A. (掲載決定). (1994)
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[Publications] 大東延久: "小型RFライナックを用いた広帯域自由電子レーザーの研究" 光・量子デバイス研究会資料(電気学会). OQD-94-13. 1-10 (1994)