1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650046
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
竹内 智 山梨大学, 工学部, 助教授 (50115317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 亮 名古屋大学, プラズマ科学センター, 助教授 (80023711)
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Keywords | ガウス型ビーム / レーザー加速 / 電子加速 / 新方式加速 |
Research Abstract |
この研究の目的は、レーザービームの有限性から導出される縦電場に電子を共鳴的に相互作用させ、電子加速を実現することであった.そのために、レーザーの全電磁場成分を求め、ビームの進行方向に存在する縦電場を理論的に導出することが必要であった.これまでの研究では、ビームの電場は近軸近似を用いたスカラー場として計算されてきたが、本研究では、霜田の方法を用いて、ベクトル的に全電磁場成分を尊出した。以下に本研究の成果を示す。 (1)縦電場のTMモードにおける基本モードでは、ビームの軸上で縦電場が最大となり、横電場成分はゼロとなることが示された. (2)ビームの軸上で縦電場と相互作用する電子は加速され正味のエネルギーを得る.特にレイリー長の範囲内では、エネルギー利得が最大となり、その値は横電場の大きさとビームのウエスト長の積で与えられる. (3)軸から離れた位置で、レーザービームと相互作用する電子が加速位相に乗っていれば、横電場の影響は小さい.しかし、減速位相に乗っている電子はビームの外側へほうり出されてしまう. (4)現在、利用可能なCO_2レーザーの出力は10^<14>W程度である.このビームを利用すると縦電場強度は約10^7V/cmとなる.この電場と相互作用する電子のエネルギー利得は約数十MeVとなるが、これは現在の線形加速器のエネルギー利得を凌いでいる. レーザーのエネルギー密度は電磁波に比べ格段に大きいため、これを加速器へ利用する研究が行なわれつつある.本研究もその一つであり、レーザーの縦電場による電子加速の機構を明らかにしたことによって、新方式加速器の可能性を示したことは、この研究分野において大きな意味を持っている.
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