1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650047
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Research Institution | MIE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
齋藤 弥八 三重大学, 工学部, 助教授 (90144203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 浩一 三重大学, 工学部, 助手 (30228465)
篠原 久典 名古屋大学, 理学部, 教授 (50132725)
大下 昭憲 三重大学, 工学部, 教授 (80023240)
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Keywords | 炭素クラスター / フラーレン / 薄膜 / 結晶構造 / エピタキシャル / 電子構造 / 光学的性質 |
Research Abstract |
C_<84>およびC_<76>の薄膜を作製し、これら結晶構造、組織を電子顕微鏡法により調べるとともに、電子エネルギー損失分光法により電子構造に関する知見を得た。また、C_<60>およびC_<70>薄膜の光吸収・発光の研究を昨年度から引き続いて行った。クロマトグラフィーにより単離したC_<60>、C_<70>、C_<76>およびC_<84>を蒸発材料に用い、それぞれを抵抗加熱型の蒸発源からNaCl、雲母、石英などの基板に真空蒸着した。 1.C_<76>およびC_<84>薄膜の構造・組織の電子顕微鏡法による観察 (1)C_<76>/(001)NaClおよび(001)雲母 NaClにおいては基板温度160℃で作製したところ、C_<60>やC_<70>と同様、fcc構造(1.53±0.02nm)の多結晶膜(結晶粒の大きさは10から20nm)を形成した。これに対して、雲母上においては、エピタキシャル成長しfccの単結晶が得られたが、局所的に厚さと方位が異なるドメイン(大きさは20から30nm)から成るモザイク的組織をもっていた。 (2)C_<84>/(001)雲母 既に述べたフラーレンの場合と同様に、雲母上ではfcc構造(a=1.59±0.02nm)のエピタキシャル膜が成長した。 2.フラーレン薄膜の電子構造および光学的性質 電子エネルギー損失分光から、固体C_<76>およびC_<84>のバンドギャップがそれぞれ1.3および1.2eVであることがわかった。C_<60>薄膜の2.3から2.8eVの励起子吸収帯において共鳴的に大きな3次の非線形分極率、|χ^<(3)>|〜10^<-7>-10^<-5> esu、が観測された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 齋藤 弥八: "C60クラスターの合成、構造と物性" 化学工業. 44. 390-397 (1993)
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[Publications] Jun Kawai: "Discrete-variational-Xα Calculations of Buckminsterfullerene(C60)and Fulleride X-Ray Emission Spectra" J.Chem.Phys.98. 3650-3655 (1993)
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[Publications] Yahachi Saito: "Electron Microscopy of Fullerene Thin Films Grown on Solid Surfaces" Mater.Sci.& Eng.B. 19. 18-24 (1993)
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[Publications] Yahachi Saito: "C_<84> Thin Films Grown Epitaxially on Mica" Phys.Rev.B. 48. 9182-9185 (1993)
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[Publications] Ryuichi Kuzuo: "Electron Energy-Loss Spectra of Crystalline C_<84>" Phys.Rev.B. 49(印刷中). (1994)