1992 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜照明と能動的瞳制御による縮小投影光学系の分解能と焦点深度改善
Project/Area Number |
04650049
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
生田 孝 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20103343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸岡 清 大阪電気通信大学, 工学部, 助教授 (50109881)
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Keywords | ステッパー / 3次元結像特性 / 3次元光学伝達関数 / 能動型画像処理 / 能動型合成結像法 / 傾斜照明 / 円環状開口フィルター / 能動型投影光学系 |
Research Abstract |
近年のLSI高集積度化に伴って、投影露光法(ステッパー)におけるパターン微細化が強く要求されている。しかしながら高分解能化に伴って起きる焦点深度の低下が重要な問題点として指摘されてきた。 本研究は、我々が継続している光学顕微鏡や電子顕微鏡の結像光学系に対する3次元OTFに基づく結像特性の評価と能動的合成の手法(平成2-3年度一般研究C)を投影露光法の縮小投影光学系に適用、高い分解能と深い焦点深度とを両立させた投影光学系の実現を目的とする。 この目的にそって、まずコヒーレント傾斜(ホロコーン)照明時の3次元結像特性の理論解析と顕微鏡光学系での特性計測を試み、これを元に瞳面での円環状開口による焦点深度改善の効果を定量的に評価した。以上から、この様な照明・光学系のもとでは高分解能・深い焦点深度が達成できるが、一方中域の空間周波数情報が大きく減少し、投影像のコントラストが低下することが確認された。この中域OTFの低下を補償する手法として、円環状開口フイルターに対し部分的に透過度、あるいは円環の幅を変化させ、照明光をホロコーン状に光軸に対し一定傾斜角のまま回転させるとともに開口フイルターを同期させつつ回転(変調)させる方式を提案している。これによって、従来型の静的投影光学系では実現困難な結像特性が得られると期待される。今年度は通常の光学顕微鏡を利用してこの様な能動的投影光学系の結像特性を評価するシミュレーション実験を試みた。シミュレーションの結果からは、投影マスクパターン(レテイクル)の平均透過率が高く、直接透過光強度が強い線形結像が支配的な条件下では有効な効果が得られる事が確認できた。 平成5年度は、このような能動的な照明光の方位回転と瞳面開口フイルターの同期回転(変調)を組み合わせた能動的な投影光学系の実証モデル試作と問題点把握が主たる課題となる予定である。
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