1993 Fiscal Year Annual Research Report
多軸および変動クリープ曲線へのθプロジェクション法の拡張
Project/Area Number |
04650061
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 謙一 千葉大学, 工学部, 助手 (50114278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝田 泰英 東京大学, 工学部, 教授 (20011091)
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Keywords | クリープ / θプロジェクション法 / 変動クリープ / 多軸クリープ試験機 / ひずみ硬化理論 / ステンレス鋼 |
Research Abstract |
(1)多軸クリープ試験を実施するため,引張-ねじり型の2軸クリープ試験機を新規に自ら設計,製作した.その後,性能確証試験を実施し、本試験機は当初の基本性能を十分満足することを確認した. (2)試験材料にはオーステナイト系ステンレスSUS304鋼を用い,試験温度をT=923Kに設定して,一定応力下でのクリープ試験を実施した.破断時間は試験時間の兼ね合いから1つの試験が1000時間以内となるよう負荷応力を選定し,5応力レベル,10本のクリープ試験を破断するまで行った. (3)上記クリープ試験で得た各クリープ変形曲線にθプロジェクション法を適用して,負荷応力σと4つのパラメータθ_1〜θ_4間の相関関係を求めた結果,両者にはそれぞれ相関のよい指数関係式が求められた. (4)初期負荷応力をσ_1=90MPaとしてそれぞれ50,100,200,300,400時間経過後,負荷応力をσ_2=140MPaに急増させる応力変動クリープ試験を実施した.これらの時間は変形モードが第1次クリープ,第2次クリープ,第3次クリープ(初期,中期,後期)となるように選定した. (5)ひずみ硬化理論とθプロジェクション法を併用して,応力変動(急増)後のクリープ曲線を推定すると共に実験結果と比較検討した.その結果,第1次クリープから第3次クリープ初期に応力を急増させても,その後のクリープ曲線は上記理論および方法を適用すると破断近くまでよく推定できた.しかしながら第3次クリープも中期以降では推定クリープ曲線は実験値よりも小さく,すなわち設計論的には危険側の推定を与えることが分った. (6)今回実験を実施し解析した範囲は,低応力から高応力への変動であったが,今後はこれとは逆に高応力から低応力への応力変動(減少)についても実験/解析が必要である.さらに実機で遭遇しやすい小幅な応力変動時への本法の適用性についても検討する必要がある.
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