1992 Fiscal Year Annual Research Report
オプトエレクトロニクス用酸化物バルク単結晶の割れに関する材料力学的研究
Project/Area Number |
04650089
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮崎 則幸 九州大学, 工学部, 助教授 (10166150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 徹 九州大学, 工学部, 助手 (40243894)
宗像 健 九州大学, 工学部, 教授 (00037714)
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Keywords | 酸化物単結晶 / CZ法 / 熱応力 / 有限要素法 / 線膨張係数 / 弾性係数 / 異片性 / 割れ |
Research Abstract |
LiNbO_3、LiTaO_3に代表される酸化物単結晶はオプトエレクトロニクス用材料として重要である。これらのバルク単結晶はCZ法により作られるが、引き上げ条件によっては育成中にマクロな割れが生じる。従来この割れについては経験的に扱われてきた。この割れには単結晶中に生じる熱応力が大きく関与していると考え、本研究ではこの熱応力解析を厳密に行う。本年度の研究ではこの熱応力を求めるための有限要素法解析プログラムを開発・整備することを大きな目標とした。まず、LiNbO_3、LiTaO_3について、解析に必要は線膨張係数、弾性係数の温度依存性のデータを立献調査により検索した。また、テンソル変換の手法により、任意の引き上げ方向に対する弾性係数マトリックスを求め、有限要素法による熱応力解析プログラムに組み込み、LiNbO_3、LiTaO_3といったtrigonal系の単結晶体に対する熱応力解析プログラムを開発した。さらに、この解析プログラムをより使い易いものとするために、解析結果の図化機能を整備した。このように開発・整備した解析プログラムを用いて東北大・金研において行われているLiNbO_3育成実験の熱応力解析を行った。この解析の単結晶体の温度境界条件としては、実験に対応する全体解析モデルによる伝熱計算の結果を用い、単結晶体のa軸およびc軸引き上げについて熱応力解析を行った。この結果、c軸引き上げでは応力分布はほぼ軸対称となっているが、a軸引き上げでは、線膨張係数の異方性の効により、応力分布に強い非軸対称性が現れることがわかった。また、全体の熱応力レベルはa軸引き上げの方が大きいことがわかった。このことは、a軸引き上げの場合の方が割れ易いという経験則を裏付けるものと考えられる。
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[Publications] 宮崎 則幸: "バルク単結晶CZ育成過程の熱応力解析(各種単結晶における異方性の効果)" 日本機械学会論文集(A編). 58. 1942-1946 (1992)
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[Publications] 宮崎 則幸: "CZ法によるシリコン単結晶成長過程の熱応力解析" 日本機械学会論文集(A編). 58. 1953-1959 (1992)
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[Publications] N.MIYAZAKI: "Thermal stress analysis of silicon bulk single crystal during Czochralski growth" Journal of Crystal Growth. 125. 102-111 (1992)