1992 Fiscal Year Annual Research Report
ひずみ情報に基づくき裂位置および形状のオンライン測定
Project/Area Number |
04650090
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
陳 玳こう 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (90217266)
|
Keywords | 逆間題 / 非破壊検査 / き裂測定 / 体積力法 / 匂配探索法 |
Research Abstract |
構造物中に生じたき裂の位置,形状および寸法を精度良く測定することは,構造物の破壊力学的手法による安全管理,余寿命評価等を行う際に重要である.本研究では,実用的な立場から,構造物使用中にオンラインでき裂が生じたかどうか,また,生じた場合その位置および形状を測定できる方法を開発することを目的としている.この目的のため,問題を一種の逆問題と考え,破壊力学および人工知能援用によりき裂の位置・形状を同定する手法を開発する. 平成4年度では、、これまで二次元き裂の逆問題解析に適用した解析方法を三次元き裂の逆問題へ拡張して、検討を行った。最初、計算手法をある程度工夫して、計算時間をさらに短縮すれば、これまで提案した二次元き裂逆問題の解析手法をそのまま三次元の問題に適用できると考えたが、具体的な検討により、三次元のき裂逆問題の解析にあたっては、まず最も適当な探索未知数を定義しなければならないことは分かった。 二次元き裂の場合、き裂の両端の位置をそのまま探索の未知数として解析を行っても精度良い結果が得られる。しかし、三次元き裂の場合、例えばた円状の三次元き裂の場合、き裂の両半軸の長さa,bをそのまま探索の未知数にすると、高精度な解が得られない。それは、き裂の発生によって生じる周辺のひずみ場の変化が主に発生したき裂の投影面積によって支配されるため、a,bが異なっても、面積(=πab)が同様であれば、そのき裂によるひずみの変化がほぼ同様であるからである。 従って、申請者は、三次元き裂逆問題の解析手法を開発する際、ひずみの変化に及ぼす各因子の力学意味を考慮した上で、まずき裂の投影面積を探索するように、探索の手順をいくつかの段階に分ける必要があると提案した。それによって、三次元き裂を精度よく、かつ少ない計算時間で同定することに成功した。
|