1993 Fiscal Year Annual Research Report
確率材料設計法に基づく線維強化複合材料設計法の研究
Project/Area Number |
04650098
|
Research Institution | Osaka Institure of Technology |
Principal Investigator |
中易 秀敏 大阪工業大学, 工学部, 教授 (80142553)
|
Keywords | 線維強化複合材料積層板 / 確率材料設計法 / 多層積層板 / 標準化変換 / 信頼性工学 |
Research Abstract |
積層板内の任意の層の破損が他の層の破損に及ぼす影響をふまえた破損シミュレータを開発した.このシミュレータでは,最初に積層板に加わる荷重状況により,どこかの層が破損すると,その層の応力伝達機能が損なわれるものとして,応力再解析を行い,その結果求まる面内ひずみによって、他の層の破損確率を再評価できるようになった.これより,従来求められなかった.多層積層板の逐次破損プロセスを追跡しながら,各層の破損する条件付破損確率を評価した.また,このような条件付破損確率が求まれば,各破損プロセスの全体の生起確率は近似的にせよ,組み合わせ数理計画法の応用として精度よく求まることや,あるいは遺伝的アルゴリズムの応用により大規模な層数の材料設計に対しても効率的な全体の最終破損確率の予測が可能になることを示した。 さて,確率材料設計法では何といっても破損確率の評価が極めて大切である.このための努力としては,設計変数としてとられる多くの変量を確率変数としてとらえ,それらの統計的不確定性を考慮しながらバランスのとれた材料設計を可能にする方法論の開発が急務である.この点からの研究も進めた.その内の成果の一つは、多変量確率変数の標準化変換法の体系化の道筋を作り,これまでともすれば無秩序に用いられてきたいくつかの変換法が構造信頼性解析において最終結果である破損確率や安全性指標の推定結果にどのような影響を及ぼすかを明確にした.また,確率材料設計法においては,材料試験やプルーフロードテストなどのフィールドデータにより統計的推定をへて確率特性を評価している.こうした見地に立って,安全性指標の統計的不確定性を検討し,サンプルサイズを考慮した信頼区間の設定法を開発した.開発した手法は,統計的検定論を基盤にし,現在のところは母集団母数のある種の情報が得られていることを条件としているが,同様のアプローチで一般化することが可能であると示唆される.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] S.Nakanishi H.Nakayasu: "Uncertainties of Safety Index on Structural Safety" IFIP Transactions B-12. B-12. 189-196 (1993)
-
[Publications] H.Nakayasu: "Stochastic Materials Design of Fibrous Composite Laminates" Proc.IUTAM Symposium on Probabilistic Structural Mechanics. (1994)