1992 Fiscal Year Annual Research Report
仕上げ加工の固定砥粒化を目的にしたダイヤモンド微粉の表面改質
Project/Area Number |
04650102
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
戸倉 和 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10016628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 尚登 東京工業大学, 工学部, 助手 (40213756)
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Keywords | ダイヤモンド微粉 / PMMA / 摩擦帯電 / 乾式混合 / 表面改質 |
Research Abstract |
申請者は,砥粒の擬集が仕上げ面の品位を極度に低下させることをつきとめた。したがって砥粒の擬集を防ぐ方法を見いだすことが固定砥粒化への第1歩と考え,ダイヤモンド微粉の支持体とダイヤモンド微粉とを摩擦帯電により表面改質する方法提案し本研究を行った。 まず,種々の雰囲気で乾式混合が行える装置を作製した。この装置を使用して,どの物質がダイヤモンド微粉の表面改質に適しているかについて,帯電序列表を参考にしてガラス,フェノール樹脂,PMMA,ポリエチレンを選定して乾式混合を行った。帯電序列によるプラス帯電性の強いガラス,PMMAにダイヤモンド微粉が付着しやすいことを明らかにした。そこで種々の粒径の粒子を得やすいPMMAを,ダイヤモンド微粉には0/2μmの高圧合成品を選択し,以後乾式混合による被覆実験を行った。 その結果,平均粒径15μmのPMMAを母粒子とした場合,凝集することなくダイヤモンド微粒は母粒子表面に密に被覆されることがわかった。しかし,その付着力は必ずしも大きいものではなく,ふるいを通すことにより付着量は6割程度に減少した。そこで加熱しながら混合時間を増大させることによってその減少割合を小さくできたが,砥石作製に十分な付着強度は得られなかった。 次いで,0.15μmのPMMA微粒子を子粒子として同様に乾式混合した。その結果,ダイヤモンド微粉表面にPMMA粒子は緻密に付着すると共に,PMMAの流動が認められダイヤモンドに固着していることが確かめられた。 以上の結果から,ダイヤモンド微粉の分散にはPMMAを子粒子として固着させることが有効であることを明らかにできた。
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[Publications] 鈴木 浩明,戸倉 和,吉川 昌範: "ダイヤモンド微粉とPMMA混合における挙動" 砥粒加工学会学術講演会講演論文集. 71-72 (1992)
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[Publications] 鈴木 浩明,戸倉 和: "ダイヤモンド微粉の分散に関する研究" 粉体に関する討論会講演要旨集. 30. 61-64 (1992)