1993 Fiscal Year Annual Research Report
スクロール形状部品の実用的な高精度・高能率加工法の確立に関する研究
Project/Area Number |
04650104
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岩部 洋育 新潟大学, 工学部, 助教授 (80018910)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 和宏 新潟大学, 工学部, 助教授 (00018673)
|
Keywords | スクロール形状 / エンドミル加工 / 有限要素法 / 加工精度 / 加工能率 / 切削面積 |
Research Abstract |
スクロール形状部品を通常の3軸制御工作機械を用いて,高精度・高能率に加工する実用的な方法を確立することを目的として,まず有限要素法による薄肉形状部品の加工誤差の解明を行った。その結果をまとめると次の通りである。 (1)実験により求めた切削力に基づいて節点荷重の計算を行った。 (2)(1)で求めた節点荷重による工作物および工具の変形量を切れ刃点で計算するとともに,切削の進行に伴って変化する荷重点のそれぞれの位置における両者の相対変位により加工誤差の予測値を求めた。 (3)加工誤差の予測値は実験値にほぼ一致しており,加工誤差の予測値に占める工作物の変形の比率は,薄肉部の高さが15mm以上で50%を越えている。 また,インボリュート曲線を補間誤差が0.2μm以下となるような高精度加工用プログラムを開発するとともに,スクロール内外面の高精度・高能率加工法に関する検討を行った。その結果をまとめると次の通りである。 (4)ねじれ刃の切削機構に基づいて,スクロール内面の高精度加工法として,(i)半径方向切込みを制御する方法,(ii)送り速度を制御する方法および(iii)主軸回転数を制御する方法を提案した。 (5)スクロール外面の高能率加工法として,送り速度を制御する方法を提案した。 (6)提案した上記の方法により,スクロール内外面の加工精度は寸法および形状誤差はともにほぼ±10μm以内である。また,外面に関しては送り速度制御法により加工精度を上記の値程度に維持しつつ,加工能率を約2倍向上させた。
|