1993 Fiscal Year Annual Research Report
AE波の周波数分析によるスタンパブルシート成形品の成形性に対する新しい評価法
Project/Area Number |
04650111
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 順介 大阪大学, 工学部, 助教授 (60116093)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花崎 伸作 大阪大学, 工学部, 教授 (50029097)
|
Keywords | スタンパブルシート / 加熱流動成形 / 成形加工 / AE / 成形性 / 周波数分析 / キャビティ内圧力 |
Research Abstract |
PP系スタンパブルシート成形品に対して行った,AE波の周波数分析により成形性を評価する方法が,他の複合材料に対しても有効かどうかを確かめた。PET系スタンパブルシート成形品を曲げ破壊したときに生じるAE波の周波数分析の結果より,PETの破壊時には65kHz付近,ガラス繊維破断時には80kHz付近,繊維とマトリックスが擦れ合うときには105kHz付近,繊維どうしが擦れ合うときには130kHz付近,繊維とマトリックスの界面剥離時には150kHzから300kHzの周波数のAE波が発生することがわかった.そこで繊維の表面処理剤を変化させた3種類のPET系スタンパブルシートを用いて,成形品のAE波の周波数分析を行った結果,エポキシ樹脂用バインダを用いた成形品では,界面の接着性が良いので,曲げ破壊時にほとんど界面剥離が生じない.これに対し不飽和ポリエステル樹脂用バインダやポリプロピレン樹脂用バインダを用いた成形品では,界面の接着性はあまりよくないので曲げ破壊時に多くの界面剥離が生じることがわかり,AE波の周波数分析による成形性の評価方法がPET系スタンパブルシートに対しても有効であることがわかった.次に各種繊維で強化された熱硬化性樹脂(FRP)に対しても本手法を適用してみた.ポリアリレート繊維,アラミド繊維,ガラス繊維,カーボン繊維で強化されたエポキシ樹脂板に対してAE波の周波数分析を行った結果,次のことがわかった.AFRP,KFRPは延性的に破断する繊維で強化されているので,ネッキングのために繊維の断面積が小さくなり,そのため界面剥離などの破壊が進行する.脆性的に破断する繊維で強化されたCFRP,GFRPは最大荷重値付近でまず圧壊が起こり,その後,繊維破断が活発に起こる.
|