1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650135
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梅崎 洋二 九州大学, 工学部, 助手 (70038066)
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Keywords | ホブ切り / 歯車精度 / ホブ切り精度 / 歯車 / 切削 / ホブ盤の動特性 / 高硬度歯車 / 高精度ホブ切り |
Research Abstract |
高硬度歯車の高精度ホブ切りを遂行する研究の一環としてホブ盤の動特性とホブの欠け、摩耗との関係の解明および歯車精度向上のためのホブ盤の精度についての検討を行った。 1.ホブ盤の回転割出誤差測定装置の製作:高精度のレーザロータリーエンコーダをホブ軸およびワークテーブルに取り付けるための取付具、心出し治具などを製作した。 2.ホブ切り試験:生産型ホブ盤を用いて、寸法の異なる二種類のホブ軸のインパルス応答試験による動特性を調べた。さらにそれぞれの軸に摩擦型振動吸振器を装着して軸のねじれの固有振動数(軸1約800Hz、軸2約1.4KHz)を減衰させ、ホブ摩耗との関連を調べた。その結果、吸振器の装着によりホブ摩耗が10〜50%減少することが分かった。本試験に用いた高速度鋼製ホブの欠けについては、吸振器の効果は現れず、ホブ盤の動特性との関係は不明であった。またホブ軸とテーブルの回転割出誤差および被削歯車の歯形誤差の測定を行った。 3.歯形誤差の解析:ホブ切り試験した歯車について、ホブの誤差(ホブの歯形・歯すじ誤差およびホブ取付誤差)に起因する歯形誤差を計算により解析した。このときのホブ軸・テーブルの回転割出誤差をホブ・歯車のかみあい誤差として計算するプログラムを作成し、計算機により作図し、実測歯形誤差線図と比較検討した。その結果、計算したかみあい誤差の変動の傾向は実測歯形とおおよそ合っていたが、ホブの誤差の影響が大きく、ホブ盤の動特性との関連は本試験条件では明確に現れなかった。 4.まとめ:試験数が限られているため、ホブの欠けの防止法や精度向上法は明らかにできなかった。ホブの摩耗とホブ軸のねじれ振動との関連はある程度明らかになった。
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