1992 Fiscal Year Annual Research Report
高粘弾性流動のスペクトル法による流熱シミュレーション
Project/Area Number |
04650145
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
持丸 義弘 東京工業大学, 工学部, 助教授 (90092577)
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Keywords | 粘弾性 / スペクトル法 / 非ニュートン流体 / 数値解析 / 高分子液流 |
Research Abstract |
高分子融液,溶液の初めとする非ニュートン流体の流れは成形加工のプロセスに代表的な例を見ることができ,それらの装置の省エネルギー化,高性能化の進展に伴い,媒体の流動状況における流熱特性を解明,予測することが急務となっている.特に高粘弾性流体の場合,ラグランジュ的に大きな加速度の生じる場所では応力場が空間的に急変するために,弾性効果が顕著となり,ニュートン流体の流れからでは類推できないような複雑な挙動を示す.そこで,流体の構成式として2nd orderモデルを使用して,まず楕円柱を過ぎる流れ,回転対称物体を過ぎる流れを数値解析する.2次元の場合,変数として流関数と渦度を用いると基礎式として渦度輸送方程式と類似した式が得られる.他方,3次元の場合,類似した式が得られないので,粘性の拡散項と応力の拡散項の和の形に表す.その上で,物体適合等角写像関数を用いて空間座標を変換する.数値解析は変換後の座標成分でのスペクトル差分解法によった.すなわち,基礎式をスペクトル分解した上で,差分法により離散化近似し適当な初期値を与えた上,半陰解法で時間に関して数値積分した.その際空間精度を良好とするため,空間の広がり方向には実質的に二重指数変換的な格子を配列した.更に,定常解を安定良く得るために多くの場合には負に値をとる新パラメータを導入した.現象は幾何学形状,レイノルズ数,弾性数(弾性力/慣性力)で支配され,一般的に流体の弾性力によりニュートン流体の場合に比べて抗力が増加し,流線は前方側で近寄り,後流側で広がる傾向にあることが判明した.
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