1993 Fiscal Year Annual Research Report
固体粒子による壁面損傷量の計測と流体機械の損傷予測法に関する研究
Project/Area Number |
04650148
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
峯村 吉泰 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (60023230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 知実 名古屋大学, 情報文化学部, 助手 (90193911)
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Keywords | 摩耗量 / スラリーポンプ / 固液混相流 / 固体粒子 / サンドポンプ / 数値解析 |
Research Abstract |
流体機械に混入した固体粒子は、流体との密度差により、流れの流線から離脱し、境界壁面に衝突して、損傷を引き起こす。この際、機械内部の流速は早いので、粒子の慣性力も相当に大きく、流れの乱れや境界層などの影響は軽微であり、ポテンシャル流れの場における固体粒子の運動を解析することにより、粒子の壁面衝突位置や速度を数値的に解析できる。しかし、粒子の壁面衝突速度や衝突角度と壁面磨耗量との関係が未だ充分明らかでないため、磨耗の時間的進行状況を定量的に予測できていないのが現状である。本研究では、種々のサイズの固体粒子を遠心力で吹き飛ばし、種々の材質からなる試験片に衝突させて、粒子の壁面での跳ね返り状況と試験片の磨耗量を測定し、粒子の壁面衝突による壁面磨耗量を定量的に明らかにするとともに、サンドポンプなど流体機械の固体粒子による損傷量を定量的に予測できる数値計算法を開発する目的で始められたものである。 この研究を通して得られた現段階での成果は以下のように要約される。 (1)壁面磨耗量は試験片の材質に著しく影響を受け、衝突角度により値が大きく異なる。 (2)ケーシング内の粒子の壁面衝突速度は、粒子間衝突を考慮すると低下するが、さらに粒子自身の回転を考慮すると増加して、粒子間衝突を考慮しない場合とほぼ同じ値になる。 粒子衝突による損傷問題は、粒子の種類や形状、被衝突材の性質など多数の要因により影響を受けるが、本研究による損傷量測定実験はようやく軌道に乗り出した段階であり、普遍的な相関関係として未だまとめ終わる段階にまで至っていないが、結果は近いうちに学会にて発表できる予定である。この分野の発展が学術面でも実用面でも要求されている時期にあるので、今後も引き続き多面的および総合的に解明していく予定である。
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