1992 Fiscal Year Annual Research Report
流れ制御による非接触懸垂型マテリアルハンドリングの基礎
Project/Area Number |
04650157
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木田 輝彦 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安富 善三郎 近畿大学, 理工学部, 助教授 (00081224)
中嶋 智也 大阪府立大学, 工学部, 助手 (80207787)
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Keywords | マテリアルハンドリング / エアクッション・サクション パッド / 離散渦法 / 衝突噴流 |
Research Abstract |
本研究の目的は、衝突噴流によって吸引と反発の両機能を持つこと、及びそのメカニズムを数値計算と実験によって明らかにすることである。数値計算には、離散渦法を用いた。ただ、計算機の容量との関係から、実際に想定されるパッド形状そのものは計算できないので、理想化したモデルについて解析している。このモデルは、環状ノズルに周辺部を持つ平板状のパッドで、従って、パッドの上面の流体は自由に運動できる。パッド下面のノズルからの噴流は環状のわきだしを分布させ、噴流によるせん断層を離散渦でモデル化している。このモデルの数値結果から、ノズル周辺部の幅の影響を考察し、この部分の重要性を明らかにするのがねらいである。また、環状噴流を取り扱ったのは数値計算にできるだけ一般性をもたせること、及び二次元パッドの数値結果から、反発力の点において環状噴流が有効と推定されたからである。この理想化したモデルでは、理論的に求められる圧力分布の計算結果が必ずしも現実の場合を表現しているかは疑問であるので、二次元モデルによる実験を行い、圧力計算に有用な仮定について検討した。この結果、ノズル周辺部が存在すると、その外周部で搬送材表面の圧力を大気圧と仮定してもほぼよいことがわかった。この仮定のもとに、数値計算から搬送材表面の圧力分布を求めた。得られた結果を要約すると、(1)浮上高さが小さいときには反発力が得られる、(2)大きくなると吸引力が得られる、(3)周辺部が大きいほど吸引力は大きくなる。(4)三次元流れでは、噴流周辺部に形成される渦塊の影響は小さく、流出速度の半径方向の動圧減少が大きな要因であることがわかった。さらに、二次元模型による実験を行い、噴流周辺部に形成される負圧部の大きさなどについて検討し、パッドの基本的設計資料を提供する予定である。
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