1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650164
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Research Institution | Tokyo denki University |
Principal Investigator |
児山 秀晴 東京電機大学, 工学部, 教授 (90120112)
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Keywords | 回転ディフューザ / 乱流境界層 / 二次流れ / 流れの安定性 / 剥離流 |
Research Abstract |
低縦横比の回転ディフューザ内の流れにおよぼすコリオリカ(Coriolisforce)の二次流れおよび安定性、そして逆圧力勾配の相乗効果を研究するために、流れに対して傾斜した14姿勢の熱線プローブを用いた熱線流速計による時間平均速度3成分およびレイノルズ応力6成分の回転系での測定方法を確立した。この方法により、ディフューザ内の流れを考察する場合の基礎的な流れ場となる低縦横比の回転直線流路(開き角0°のディフューザ)内の低圧側境界層の乱流構造におよぼすコリオリカの影響を明かにするために、乱流特性量の三次元的測定を行ない考察を試みた。その結果、以下のことが明かとなった。 低圧側境界層内の流れの安定性を検討するために、局所リチャードソン(Ri)数分布より考察を試みた。境界層内のRi数に極大値が存在し、これは、二次流れによる低速流体の運搬とコリオリカの安定効果による乱流混合の抑制の組み合わせにより起こると考えられる。この相乗的な作用によってレイノルズせん断応力は回転時に低圧側で著しく減少し、乱流運動エネルギの局所的生産が抑制されることが確認された。 レイノルズ応力方程式の考察より予測されたコリオリカの安定効果による乱流エネルギの再配分とは逆に、レイノルズ垂直応力の流れ方向と壁面に垂直方向の成分の割合が静止時と比較して回転時の低圧側で増加することが明かとなった。 低圧側境界層内には、二次流れにより上下壁面上の境界層内の乱流運動エネルギが運び込まれ、回転角速度にほぼ比例した量の乱流運動エネルギが蓄積されることが乱流運動エネルギフラックスにより確認された。
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Research Products
(1 results)