1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650173
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
梅村 章 山形大学, 工学部, 教授 (60134152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木田 幹 山形大学, 工学部, 教授 (90016428)
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Keywords | 超臨界圧 / 噴霧 / 液滴燃焼 / シミュレーション / 物理モデル / 模擬実験 / 遷移条件 / 燃焼時間 |
Research Abstract |
高圧雰囲気中に置かれた単一燃料液滴の燃焼過程を有限反応速度を用いて数値的に解析し、燃焼特性を物理的に明らかにした。これにより、特に、最小燃焼時間は、亜→超臨界蒸発遷移時間が着火時間にほぼ等しくなる(燃料の臨界圧より僅かに高い)雰囲気圧で起きることが判明した。超臨界圧下の液滴燃焼では、燃焼時間に比べて遷移時間は非常に短く、実質上最初から超臨界蒸発状態にあるとみなしてもよい。この結果単に燃焼時間の圧力依存性だけを考えるのであれば、遷移に至る過渡的な現象を正確に記述する必要はなく、遷移条件を考慮しない数値計算でも、燃料の臨界圧付近で最小燃焼時間を予測する結果を得る。しかし、低い雰囲気温度での蒸発問題では、燃料の臨界圧よりかなり高い雰囲気圧で最小気化時間が達成されるため、遷移条件を無視した計算は定量的に誤った予測を導く。 圧力の増大に伴って、拡散能が低下するので、物質輸送は局在し、最大火炎半径が減少する。これは、高圧で液滴の影響半径が小さく、噴霧は独立な液滴の集合体として振る舞うことを意味するから、噴霧の蒸発燃焼式を構成するのに、単一液滴に対する知見が直接利用できることになる。上記の燃焼特性を定式化し、低圧系噴霧燃焼の数値計算プログラムを高圧系シミュレータに改変する作業に着手した。 高圧下では拡散係数が小さくなるために、燃焼速度を高めるには、燃料と酸化剤の接触面積を拡大して混合を促進する必要がある。着色水を用いた高圧噴霧の模擬実験で間欠ジェットの混合過程を調べた結果、効率的な周囲流体のエントレインメントが得られ、噴流の先端到達距離が時間の4分の1乗に従って伸びる新たな領域を見出し、その物理過程のモデル化に成功した。
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[Publications] C.K.Law,B.H.Chao,A.Umemura: "On Closure in Activation Energy Asymptotics of Premixed Flames" Combust.Sci.and Tech.88. 59-88 (1992)
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[Publications] 梅村,李: "局所群燃焼数の誘導とその意義について" 機論(B編). 58. 3779-3786 (1992)
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[Publications] 梅村,可知: "だ円渦モデルによる大規模渦構造の記述" 機論(B編). 59. 319-325 (1993)
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[Publications] A.Umemura: "A Physical Simulation Model for Turbulent Mixing Layer Combustion" Proc.Twenty-Fourth Symp.(Intl.)on Combustion Combustion Institute,Pittsburgh,PA. 413-419 (1992)
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[Publications] C.J.Sung,C.K.Law,A.Umemura: "On Adiabatic Stabilization of Inverted Flames" Proc.Twenty-Fourth Symp.(Intl.)on Combustion Combustion Institute,Pittsburgh,PA. 205-212 (1992)