1993 Fiscal Year Annual Research Report
非定常蒸発噴霧における燃料蒸気濃度の空間的不均一性と乱れ、渦の相関
Project/Area Number |
04650175
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畔津 昭彦 東京大学, 工学部, 助教授 (80184175)
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Keywords | 燃料噴霧 / 蒸発噴霧 / 2次元可視化 / 乱流計測 / PIV / エキサイプレックス蛍光法 / 画像処理 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度開発した燃料蒸気濃度の2次元可視化手法及び2次元画像処理流速計測手法を改良すると共に、高温・高圧容器内の蒸発噴霧に対して適用した。 1)蒸気濃度の2次元可視化:光源としてNd:YAGレーザの第3高調波を、蛍光物質としてはTMPDとナフタレンを使用した、エキサイプレックス蛍光法による可視化実験を行った。その結果、蒸発噴霧中の燃料蒸気の分布には、非蒸発噴霧において観察されたものと同様な不均一性(噴霧中心軸回りの蛇行や枝状の濃度むら)が存在することを明らかにした。なお、高温雰囲気の高粘性による乱れ渦の減衰と燃料蒸気の拡散速度が速いため、小さなスケールの不均一構造が目立たなくなり、非蒸発時に比べてやや空間的に大きなものとなっている。 2)2次元瞬時速度場の画像計測:昨年度開発した独自のPIV法(高密度PIV)に基づく2次元画像処理流速計測手法の改良を進めた。主な改良点は流速方向の判別と強乱流場への適用性の向上である。光源とするダブルパルスのレーザー光に強度差を付けることにより、従来の高密度PIV法では不可能であった流速方向の判別が可能になった。また相関演算部分の改善により、相対乱れ強さ0.3まで十分な精度で対応できることをテストデータで確認した。以上の改良の上で、本手法を蒸発噴霧に対して適用し、ディーゼルエンジンと同等の高温・高圧下における蒸発噴霧内の瞬時速度場の画像計測に成功した。高温・高圧の乱流拡散場であるために雰囲気密度の分布が大きく、必ずしも鮮明なトレーサ粒子像が得られず詳細な乱流解析には至っていないが、蒸気濃度分布と雰囲気流動(渦)の相関について有用な知見が得られた。
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Research Products
(2 results)