1993 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー誘起蛍光法を用いた実用液体燃料分解過程の追跡
Project/Area Number |
04650184
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
吉川 典彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60135423)
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Keywords | レーザー / 蛍光 / 燃焼 / 液体燃料 |
Research Abstract |
1.CCDカメラを用いた平面測定 平成4年度に引き続き,画像計測法の精度を更に向上させ,高空間分解能計測を行うことにより火炎反応帯内部構造の解析も可能となるように,OHラジカルを主な測定対象として実験を行い,幾つかの基盤的手法について検討した.空間分解能は10μm程度まで可能となり,定量的に充分な断面分布を得るには1000〜1500回の信号光の積算が必要であることが判った.メタン-空気層流火炎の火炎帯の厚さを測定し,0.4mmという妥当な結果を得た.又,平滑化処理によって,乱流状態の測定で障害となる高周波ノイズの除去を,7×7又は9×9の空間フィルターを用いることによって達成出来ることが判った. 2.エチレンの同定 昨年度のアセチレンの測定に加えて,幾つかの炭化水素の中でエチレンの測定を試みた.エチレンは190nm以下の波長領域に強い吸収帯をもち,二光子励起蛍光法と,二光子光分解によって生成したC_2ラジカルのスワンバンドによる同定法の二つの方法が考えられる.大気圧エチレン拡散火炎を用いて,300〜320nmのレーザー光で実験を行ったが,蛍光もC_2ラジカルの信号も検出出来なかった.原因としては,励起波長の選択が適切でなかった点と,大気圧下ではクエンチングの影響が大き過ぎたことが考えられる. 3.今後の研究計画 本研究では,実用燃料の実際の燃焼条件を考えて大気圧下条件で実験を行って来たが,当初の予測よりも,クエンチングの影響が極めて顕著なため,測定が困難であった.実際の燃焼条件とは異なる点が問題とはなるが,低圧火炎ではクエンチングの影響を排除出来るので,少なくとも燃料が分解して生成した化学種の同定はかなり容易になると考えられる.その結果を基にして,数値解析等を用いて,大気圧条件下での予測を行う方法が,より現実的なアプローチと考えられる.
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