1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650193
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
城戸 裕之 九州大学, 工学部, 教授 (50037959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 健四郎 九州大学, 工学部, 助手 (60037869)
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Keywords | 希薄燃焼 / 水素添加 / 層流燃焼速度 / 可燃限界 / 乱流燃焼速度 / 消炎限界 |
Research Abstract |
エンジンの一層の低燃費と排ガス浄化を両立させるためには、混合気の希薄燃焼がもっとも効果的であると考えられる。しかしながら、混合気が気薄になる際の大きな障害は、燃焼速度が遅くなる事と希薄燃焼限界近傍で点火ミス(失火)を起こす事である。これらの問題を克服するために点火の強化、乱れによる燃焼の促進、混合気の成層化などの方策がとられているが、混合気自身の燃焼特性を向上させる方法はまだ見られない。水素ガスは希薄燃焼限界がもっとも低く、乱れによる燃焼促進効果がもっとも大きいことから、希薄な炭化水素混合気中へ水素を添加することにより、燃焼速度低下と失火ミスの問題解決に有効であると考えられる。本研究では、まず水素添加量と混合気当量比を単独に変化させながら、メタンとプロパン混合気の層流可燃限界及び燃焼速度を明らかにし、次に燃焼限界近傍の混合気に対し、乱れ強さを変化させ、各々の混合気の消炎限界及び乱流燃焼速度を調べた。燃焼実験装置は、内径120mmの球形に近い定容容器で、向かい合う4つの多孔板の後方にファンを設け、ほぼ一様な乱れ場を作る事ができる。以上の実験により、次の事が明らかとなった。炭化水素/水素/空気混合気系の層流燃焼速度は、両燃料成分の理論酸素量を重みとする、同じ当量比の炭化水素混合気と水素混合気それぞれの層流燃焼速度の平均値に近いことがわかった。また、水素添加量が多いほど、可燃限界近傍希薄混合気の乱流燃焼の消炎限界が著しく伸び、より強い乱れ場での安定な燃焼が可能になった。次に、当量比が同じ混合気では、水素添加量が多い混合気ほど同一乱れによる乱流燃焼速度の増加量は大きくなった。さらに、水素添加による希薄炭化水素混合気の消炎限界の拡大並びに乱流燃焼速度増大の効果は、炭化水素燃料の分子量に依存し、水素添加量が同じ体積割合であれば、その効果は分子量が小さいほど大きくなる事がわかった。
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Research Products
(1 results)