1992 Fiscal Year Annual Research Report
太陽熱エネルギー高効率利用を可能とする真空蒸留システムの開発
Project/Area Number |
04650200
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 春樹 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70137983)
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Keywords | 太陽熱エネルギー / 自然エネルギー / 低温度差熱利用 / 海水淡水化 / 真空蒸留 / 水処理 / 蒸留器 / 多重効用熱利用システム |
Research Abstract |
自然エネルギーの高効率利用は、化石燃料の消費から排出される炭酸ガス量を抑制するために急務である。一方で自然エネルギーは、一般にエネルギー密度が小さいことから高効率にエネルギー変換することが困難である。本研究では、エネルギー変換することなく太陽熱エネルギーを有効に利用する可能性に関して考え、海水淡水化、生活・産業廃水の再資源化、水以外の産業用流体の再資源化のための蒸留システムの開発が、高効率に太陽熱エネルギーを利用できるとの結論に至った。 既に蒸留システムの基本概念については、平成2〜3年度に実施した基礎研究により確立しており、平成4年度は、実際にシステムを構築しその基本性能を明らかにすることを目的とした。具体的には、1.太陽エネルギーをシミュレートできる電気ヒーターを熱入力として用いる蒸留システム設計・製作 2.熱入力とポンプにより達成できる真空度の測定とポンプ動力の測定 3.熱入力と蒸留収量の関係を真空度をパラメーターにして明らかにすること。 そして、4.蒸留温度と凝縮温度の差と蒸留収量の関係を明らかにすることであった。 以上の目的に関しては、十分実験的に明らかにすることができたと考えている。現在、解析を行っているところである。また、実験結果は、当初の予想以上の性能を示しており、非常に小さい温度差で蒸留が行われていることが明らかになった。これは高温部と低温部の間をカスケード化して、一度蒸留に使われた熱をさらに再利用してもう一度蒸留に用いる多重効用型システムに発展させることができることを示唆している。これらの確認を平成5年度に行いたいと考えている。また解析に関しても平成5碌度にまとめることができると期待している。
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