1992 Fiscal Year Annual Research Report
スクイズフィルムダンパ軸受に起因するジェットエンジン軸系の振動の研究
Project/Area Number |
04650217
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石田 幸男 名古屋大学, 工学部, 助教授 (10092991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 農 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00093063)
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Keywords | squeeze film damper / bearing / rotor system / nonlinear oscillation |
Research Abstract |
本研究は、防振の目的で主にジェットエンジン軸系に用いられているスクイズフィルムダンパ軸受に起因する振動、特に非線形振動の振動特性を解明し、その振動をなくすための最適な構造と寸法を決定することを目的として行っているものである。この軸受は、軸受外輪と軸受ハウジングとの間に極めて小さなすき間を設け、そこに油を入れて防振効果を作るものであるが、このクリヤランスが原因となり、軸の復元力は強い非線形ばね特性をもち、その結果、各種の非線形強制振動が発生する。そこで、理論解析として、不感帯を有する強い非線形ばね特性をもつ回転軸系の理論モデルを作成した。そしてそのモデルを用いて発生する各種の分数調波振動や和差調波振動を数値シミュレーションにより調べた。その結果、これらの振動の発生を確認した。次にこれらの各振動について非線形振動論を適用し、共振曲線などの近似計算を行っている。その理論解析は現在進行中である。実験としては、円形断面の弾性軸に一個の円板を取りつけた装置を製作した。購入したインバータモータは、その軸系を駆動するためのものである。軸受のいろいろなクリヤランスのもとで軸のばね特性を測定し、その非線形ばね特性と発生する非線形強制振動の特性との関係を現在分析中である。購入したパーソナルFFTアナライザは同時に多数発生する振動成分の分析に利用しており、またオムニエースはその記録に用いている。この軸系ではかなり多くの振動が発生するが、そのうちの主共振点や1/2次分数調波振動など比較的発生振動成分の数が少ないものについては振動特性をかなり明らかにできた。
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