1993 Fiscal Year Annual Research Report
回転慣性子を付与した転倒防止システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
04650219
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Research Institution | KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
山本 鎮男 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50200803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 彰 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (20197015)
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Keywords | 防振台 / 回転慣性子 / 非線形復原力 / 調和バランス / 地震動 / 入力損失 / 最適化 |
Research Abstract |
本研究では、電算機システムなどの高度に発達した情報機器・設備、エレクトロニックスに関連する付加価値の高い工業設備あるいは美術工芸品などの社会資産を地震による転倒から守るためのシステムとして、(1)固有周期の長周期化効果、(2)入力地震動の損失効果と(3)入力の大きさに伴った応答倍率の低減効果を期待できる、回転慣性子を付与した新たな転倒防止台を開発することを目的にし、本年度は以下の項目を検討した。 1.前年度より得られた設計指針を基に、回転慣性子を用いた防振システムを設計し試作した。 2.本防振システム単独の振動実験を行った。ここでは,特に正弦波加振、ランダム波実地震加振を実施し、本システムの実用性を回転慣性子による(1)固有周期の長周期化効果、(2)入力地震動の損失効果と(3)入力の大きさに伴った応答倍率の低減効果を、回転慣性子を付与しない場合の結果と比較することによって定量的に明かにした。しかしながら、この防振システムは複雑な非線形特性を有するので、台の加速度応答には高調波成分の影響からスパイク状の波形が生じることがわかった。 3.本防振システムの加速度応答のスパイクを低減するために、本防振システムにおける滑車の最適配置および回転慣性子の大きさの最適化を計り、それによって製作した防振台を用いた実地震波加振実験とシミュレーションによりその有効性を検証した。その結果、最適化した場合には、従来のものに比べて加速度応答の最大値が約3割低減することがわかった。
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Research Products
(1 results)