1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650230
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 光政 東北大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (40091706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高中 健二 東北大学, 工学部, 教授 (80005321)
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Keywords | 複合多芯超伝導線 / 近接効果 / 臨界温度 / 上部臨界磁場 / 臨界電流 / NbTi |
Research Abstract |
本研究は、交流用超伝導線の低損失化や高電流密度化に対する指針を掴むため、熱処理過程や線材構造の異なる種々の複合多芯超伝導線の臨界温度、臨界電流密度に対する磁場依存性や上部臨界磁場およびその温度依存性の実験的検討を行うとともに、物性論的解析から複合多芯超伝導線における近接効果やピンニング特性に対する知見を得ることを目的とする。本年度も、前年度と同様に直流4端子抵抗法により臨界温度Tcおよび上部臨界磁場Bc_2を測定した。特に、Tc測定については、測定電流の効果を検討した。また、昨年度のBc_2の温度依存性測定では、精確な温度制御が達成されていない結果も含まれていることが分かり、再測定を実施した。これらの結果にGLAG理論を適用し、超伝導フィラメント径やフィラメントを囲むマトリックス材のTcやBc_2への効果を検討した。また、交流用超伝導線をモデル化して取り扱う第一歩として多層構造超伝導体を考え、そのBc_2に対する理論的検討を行った。以下に、それらの結果を要約して示す。 1.Tcと4.2KにおけるBc_2はフィラメント径の低下とともに減少する。また、測定電流を1から10mAに上昇させても、Tcは測定精度ないで一致する。 2.各種超伝導線のBc_2の温度依存性から、GLパラメータκGLを推定すると、40から60の値になり、フィラメント径の低下とともに、κGLは増大する。 3.以上の結果からフィラメントの細線化により、Tcは低下するが、κGLの増加によりBc_2の低下は幾分抑制されると考えられる。 4.電子の拡散定数の異なる超伝導層が交互に積層した超伝導体では、積層面に垂直方向と平行方向では、Bc_2の温度依存性が著しく異なる。特に、平行方向でのBc_2は特定の温度を境にして依存性が変化する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Suzuki: "Transition temperatures and upper critical fields in multifilamentary NbTi wires" Advanced in Cryogenic Engineering. 40. (1994)
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[Publications] K.Takanaka: "Surface effects on the critical fields of superconduting superlattices" J.Magn. & Magn.Mater.126. 619-621 (1993)
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[Publications] K.Takanaka: "Magnetic properties of superconducting uniaxial materials" Physica C. 218. 379-386 (1993)