1993 Fiscal Year Annual Research Report
気圧・風速および地上静電界のウェーブレット解析による襲雷予測
Project/Area Number |
04650231
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 伸直 東北大学, 工学部, 助手 (80005420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 憲一 宮城職業能力開発短期大学校, 講師
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Keywords | 冬期雷 / ウェーブレット解析 / メソスケール擾乱 / 地表面電界 |
Research Abstract |
ウエブレット関数が実数の場合と複素数の場合のウエブレット変換プログラムを作成した。幾つかの微小変動量間の相関関係を明らかにするために,実数ウエブレット関数として1)メキシカン・ハット,2)フレンチ・ハットおよび3)メイヤー・ハットの一つを選択出来るプログラムを作成した。良く性質の知られている一様カントール・セットに適用して,プログラムが正しいことを確認した。さらに特異点の検出等に適した複素ウエブレットを使用したプログラムを作成し,特異点を持つ関数に適用して,プログラムが正しいことを確認した。さらにウエブレット係数をグラフ表示出来るプログラムを作成した。 大気圧と風速の微小変動の相互相関関係を明らかにするため,それぞれの時系列データをウエブレット解析して,時系列に対してどのようなスケールの変動が優勢かを二次元面上に表示し,さらにそれぞれのウエブレット変換係数の間の相互相関係数を求めることで,どのスケールが関係が強いかを示すことに成功した。さらに地表面静電界の時間変化と大気圧の特徴的な微小変動との間の関係,即ち,大気の流れとそれによる雲内の電荷により誘起される地表面静電界の結び付きを明らかに出来た。これらの成果をもとに冬季日本海で多発する冬季雷を伴うメソ・スケール擾乱についての解析を行い,雷雲のモデルを明確に出来たので,その成果を気象学会機関誌である"天気"に発表した。 ウエブレット解析をもとにして,微少気圧と風速の強い相関を検出することにより雷雲の接近を予測可能であることを示すことが出来た。さらに地表面静電界の信号を考慮することにより観測地点での落雷を予測する新しい襲雷予測法を提案することが出来た。
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[Publications] 竹内伸直,成田憲一,後藤幸弘: "冬季日本海でのメソスケール擾乱内に発生する雷雲セルと気象要素の微少変動との相関関係" 日本気象学会機関誌「天気」. 40. 671-680 (1994)
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[Publications] N.Takeuchi,K.Narita,Y.Goto: "Wavelet Analysis of Meteorological Variables under Winter Thunder-clouds over the Japan Sea" Journal of Geophysical Research-Atmospheres. (印刷中). (1994)