1992 Fiscal Year Annual Research Report
放電光定量化計測による雷雲内放電誘発に関する基礎研究
Project/Area Number |
04650239
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
荒井 健次 神戸大学, 工学部, 教授 (80031079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 一典 和歌山高専, 教授 (50043518)
中本 聡 神戸大学, 工学部, 教育職 (10198260)
竹の 裕正 神戸大学, 工学部, 助手 (90216929)
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Keywords | レーザ誘雷 / 雲内放電 / レーザ光生成プラズマ / 放電光計測 / イメージコンバータカメラ / 衝撃波 |
Research Abstract |
雷雲内放電誘発に向けての基礎実験を行うべく、既設炭酸ガスレーザ装置、イメージコンバータカメラ、CCDカメラ、および超音波加湿器よりなるレーザ光生成プラズマの発光定量化計測システムの構築を行った。 超音波加湿器の発生する蒸気を、レーザ光集光用レンズの焦点付近にフレキシブルホースで導き、これを標的としてレーザ光を照射し、プラズマを生成した。プラズマの発生は、照射レーザ光のエネルギーが0.3〜0.5Jを敷居値として起こるが、この値は蒸気がない場合の1/3以下である。またこの値は、水滴の大きさと流量より見積もった水滴存在の密度を考慮すると、集光したレーザ光が、水滴の絶縁破壊エネルギー密度を形成する体積空間内に水滴が存在するか否かに対応するといえる。 レーザ発振とカメラ系を同期することにより、生成プラズマの発光の経時変化を駒撮り撮影した。イメコンの像はCCDカメラによりディジタル化し、各駒ごとに計算機で解析・処理した。発光強度の経時変化から、弱いレーザ光照射が続くプラズマ発生後の数マイクロ秒の間、プラズマが成長していることが確認でき、また発光強度の空間積分値の時間変化が、同時測定の光電管出力波形と一致することもこれを裏付けている。一方、発光の空間分布の経時変化については、微小点の爆発より発生する衝撃波の発展を相似則により解析したものと比較した結果、第一近似での一致をみた。 他に、生成プラズマに弱電界を印加し、印加電極に誘起される誘導電流の測定を行った。プラズマの発生がレーザ光や発光に依存するモデルをもとにした数値計算との照合から、現在解析を進めつつある。 次年度は誘導電流の解析と、より高精度の衝撃波の解析を継続し、紫外線の重畳照射の効果についての実験に加えて、実際の放電誘発へ向けての基礎実験を遂行して行く予定である。
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[Publications] 竹の 裕正: "CO_2レーザ生成プラズマの光学的観測" 平成4年電気関係学会関西支部連合大会講演論文集. G33- (1992)
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[Publications] 荒井 健次: "微水滴中のCO_2レーザ生成プラズマ観測" 平成5年電気学会全国大会論文集. (1993)
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[Publications] 竹の 裕正: "微水滴中のレーザ生成プラズマ光像の経時変化観測" 平成5年電気学会全国大会論文集. (1993)