1993 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波・マイクロ波用フェライト薄膜のGaAs半導体基板上へのエピタキシャル成長
Project/Area Number |
04650261
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
五味 学 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (80126276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 正紀 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016624)
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Keywords | ヘテロエピタキシャル成長 / フェライト薄膜 / ガーネット / ジルコニア / スパッタ法 / マイクロ波素子 |
Research Abstract |
本年度は、ミリ波・マイクロ波用フェライトの中で最も機能性の高いガーネットフェライトをSi,GaAs半導体基板上にエピタキシャル成長させるための中間層の探査、成長条件の確立及びそれらの中間層上へのガーネットフェライトの結晶成長を行ない、以下の結果を得た。 1.ガーネット構造は8分子で立方晶単位格子を形成するが、各陽イオンの周りの酸素配位は大きく歪んでいる。この低対称性のエピタキシャル成長への影響を明らかにするため、前年度ガーネット上へのエピタキシャル成長を確認したCeO_2と同一の蛍石構造を持ち、且つ結晶対称性の低いZrO_2のスパッタ法によるGGGガーネット基板上への成長を試みた。これにより、(111)GGG基板上に、従来蒸着法で得られている基板温度(600℃以上)よりはるかに低い400〜300℃でm-ZrO_2の(111)面が優先配向し、500℃以上ではt-ZrO_2の(200)が優先的に成長することを明かにした。しかし、まだエピタキシャル成長は確認されていないため、更に成長条件を詰めることにより低対称性との関連を明らかにする必要がある。 2.前年度中間層として見いだされた(111)CeO_2/GGG上へYIGガーネットフェライトのエピタキシャル成長を試みた。しかし、ガーネットフェライトは形成されず、ガーネットに比べYイオンの多いオルソフェライト相が生成することを確認した。これは、膜の成長初期において、中間層のCeイオンが膜中に拡散して希土類イオンリッチとなりオルソフェライトが生成しやすくなったことに起因する。
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