1992 Fiscal Year Annual Research Report
集束イオンビーム技術によるメゾスコピック構造の製作と応用
Project/Area Number |
04650274
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
塩川 高雄 理化学研究所, 半導体工学研究室, 先任研究員 (00183393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 幸治 理化学研究所, 半導体工学研究室, 研究員 (30211048)
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Keywords | 集束イオンビーム / メゾスコピック / 微細加工 / In-Planeゲート法 / 磁気抵抗 |
Research Abstract |
高安定度のイオン源に充分なフラッシングを繰り返し、さらに長時間動作させた後に実験に使用することにより充分安定なGa集束イオンビームを得る事が出来た。この集束イオンビームをIn-planeゲート法の加工に応用するために、イオンビームによる試料への損傷を評価した。ここでは、100kV・Ga集束イオンビームをイオン照射量3.8x10^6cm^<-1>で、ゲート間コンダクタンスのゲート幅依存性から、損傷を評価した。この結果、本条件では0.5μm以下のゲート間隔では回路がオープンとなり、これ以下のゲート間隔を加工することは困難であることが分かった。従って、イオンビームを用いて量子閉じ込め構造を作製するには、さらに条件出しが必要であるが基礎的物性を調べるために、製作の簡便な金属ゲート方式を用いて資料を作製し、極低温における抵抗の振舞いを調べた。コンダクタンスの量子化を示し、電子波導波管として動作するポイントコンタクトを二つ直列に並べ量子閉じ込め構造を作製した。この場合は、明確なコンダクタンスの量子化は観察されず、磁気抵抗に複雑な構造が観察される。対角成分を含む配置の磁気抵抗は、高磁場ではエッジ電流により、量子ホール効果を示すが、プラトー部分および遷移領域に、共鳴的な抵抗の増大が観測された。閉じ込め構造のコンダクタンスを理論的に計算をするとプラトー部分でやはり共鳴的な抵抗増大が現われるが、その物理的意味は明らかでない。また、周期的な振動は、単純なAB効果ではなく、閉じ込め構造内の電子間相互作用(クーロンブロッケード)を含めた複雑な物であると考えられるが、さらに詳細な検討が必要である。
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Research Products
(1 results)