1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04650278
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小林 欣吾 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20029515)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 守 電気通信大学, 情報システム学研究科, 教授 (80125955)
山口 和彦 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (60220258)
森田 啓義 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (80166420)
山本 博資 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30136212)
佐藤 洋 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00017279)
|
Keywords | 分布型センサーシステム / 信号検出 / 多端子情報理論 / 仮説検定理論 / カルフーネン・レーベ展開 / レビンソン・ウィギンス・ロビンソン算法 |
Research Abstract |
本年度はこれまでの理論的研究のうちの限定された部分である多次元ガウス型の雑音で汚された環境の中を通過してくる既知の信号を分布型センサーで検出する信号処理システムを数学的に表現した結果を発表した。各端末センサーから中央情報収集局への通信路の伝送速度になんら制限を課さない場合,すなわち,通信路の容量が無限大の場合には,レビンソン算法を発展させたウィギンスとロビンソン(1965)による多チャンネルの最小2乗フィルターが有効であったが,そのアイデアは我々の場合のように伝送速度に制限のある場合(とくに,伝送速度が実効的に0である場合)にも,多次元ガウス型の場合については有効であり多次元信号のカルフーネン・レーベ展開を導入することで美しい理論が成立することが判明した。ここで得られた重要な知見は,システム全体としての最適設計を考えるのであれば,端末のセンサーでは決定を行なわず,中央の決定機構で必要とされる情報の一部をのみ計算して伝送すべきであるということである。また量子化の影響も有限の伝送速度のもとでの性能を保障するためには注意を払わねばならない。 以上の理論的成果が実際の局面において有効であるかどうかの評価を行うためにワークステーションNEXT TURBOを当該科学研究費補助金により購入し,それを用いてシミュレーション実験を現在行っているところである。まだ広範な実験がなされていないので満足のいく結果は得られていないが,我々の理論が保証している多次元ガウス型の場合については十分な性能がほぼ示されている様子である。これらの結果をふまえて非ガウス型の相関をもつ多次元の雑音に対する信号検出システムを構築するための符号化法を考察するための計算機実験が計画されている。
|