1993 Fiscal Year Annual Research Report
複数の情報源出力を伴うシャノン暗号システムに対する符号化定理に関する研究
Project/Area Number |
04650279
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 博資 東京大学, 工学部, 助教授 (30136212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 欣吾 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20029515)
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Keywords | 暗号 / シャノン理論 / 符号化定理 / 共通情報量 / 相関を有する情報源 |
Research Abstract |
昨年度は,相関を有する2つの情報源出力(X,Y)の共通情報量C_1(X;Y)を定義することにより,(X,Y)をシャノンの暗号システムを通して伝送する場合の符号化定理を証明したが,本年度はさらに以下の成果を得た。 1.昨年度用いた共通情報量(X^KY^Kから可能な限り,個別情報を取り除いた時に残る最小の核のレイト)C_1(X;Y)に加えて,新たな共通情報量(もし,V_Cを失うと,X^KとY^Kの両方のあいまいさがH(V_C)になるような,X^KY^Kの共通の最大の核のレイト)C_2(X;Y)を定義し,これらの共通情報量の大きさがC_1(X;Y)=I(X;Y),C_2(X;Y)=max{H(X),H(Y)}となることを証明した。 2.上記の共通情報量を達成する符号を利用することにより,本研究の目的である符号化定理を,以下の全ての場合に対して統一的により分かりやすく証明し直した。 ・2つの情報(X,Y)のうち,秘密に保たなければならない情報がXだけの場合,Yだけの場合,XとY両方の場合。 ・2つの情報(X,Y)のうち,復号器で復元しなければならない情報がXだけの場合,Yだけの場合,XとY両方の場合。 ・暗号文をWとした時,システムの安全性を1/KH(X^KY^K|W)で評価する場合と,(1/KH(X^K|W),1/KH(Y^K|W))で評価する場合。 3.上記の成果をまとめて論文にし,IEEE Transactions on Information Theoryに投稿し,採録が決定された。
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